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脳梗塞後の麻痺側のむくみ(浮腫)はなぜ起きる?「揉むだけ」では引かない理由と在宅でできるケア

【この記事の要点(TL;DR)】

  • 脳梗塞後、麻痺側の手や足がむくむのは、麻痺で筋肉が動かなくなり、血液やリンパを心臓へ送り返す「筋ポンプ」が働かなくなることが主な原因です
  • 「むくんだから揉む」だけでは引きにくく、弱った皮膚を傷つけることもあります。大切なのは、原因である「動かない状態」そのものに働きかけることです
  • 訪問施術は、麻痺側を他動的に動かし、神経の働きを促して筋ポンプを取り戻すアプローチをとります。ご家族は挙上・体位変換・皮膚の観察で支えられます
  • ただし、片側が急に強く腫れる・痛み・赤み・息切れを伴うむくみは、深部静脈血栓症や心臓の問題のサインのことがあります。その場合は揉まず、すぐ主治医へ

【ご注意(必読)】 本記事はご家族・一般の方向けの情報提供を目的としています。記載のアプローチはすべて国家資格を持つ専門施術者が行う手技です。ご自身での強いマッサージはお控えください。とくに、急に片側だけ強く腫れる・痛み・熱感・息苦しさを伴うむくみは、深部静脈血栓症(DVT)や心不全などの緊急性のある状態のことがあります。その場合はマッサージをせず、ただちに主治医・救急にご相談ください。

なぜ麻痺側だけがむくむのか?「筋ポンプ」の低下が主な原因です

結論から言います。麻痺側がむくむ最大の原因は、筋肉が動かなくなったことで「筋ポンプ」が働かなくなることです。
ふくらはぎや手の筋肉は、動くたびに血管を軽く圧迫し、血液やリンパを心臓へ押し戻すポンプの役割を果たしています。これを筋ポンプと呼びます。脳梗塞で麻痺が起きると、この筋肉が動かなくなり、ポンプが止まります。すると重力に引かれて水分が手足の末端にたまり、むくみ(浮腫)となって現れます。
さらに、関節が固まる(拘縮)、一日中同じ姿勢でいる、といった要因が重なると、むくみはより頑固になります。

「むくんだから揉む」はなぜ逆効果になりやすいのか?

強く揉むだけでは、その場しのぎにしかなりません。原因である「動かない状態」が変わらなければ、むくみはすぐ戻るからです。
麻痺側の皮膚は、感覚が鈍く血流も乏しいため、傷つきやすく、強い力で揉むと内出血や炎症、痛みを招くことがあります。「むくみ=揉んで散らす」というイメージは、麻痺側にはあてはまりません。
本当に必要なのは、①筋ポンプをもう一度働かせること、②水分を重力で戻すポジショニング、③弱った皮膚を守るケア――この三つを組み合わせることです。

訪問施術はむくみにどうアプローチするのか?

「動かせる体」を取り戻すことが本質です。当相談所が連携する施術者は、ただ表面を揉むのではなく、筋ポンプそのものを再起動させます。
具体的には、次の順序で進めます。

① 骨格ポジションを整える:体が傾いたままでは血流もリンパも滞ります。まず土台の姿勢を整えます。
② 神経の働きを促し、麻痺側に筋出力を入れる:YNSA(山元式新頭針療法/山元敏勝医師が開発)などで神経の働きを促し、相反抑制や抵抗運動を使って、眠っていた麻痺側の筋肉に「動く」という入力を入れます。鍼刺激が運動野の興奮性を高めることはfMRI研究でも報告されています(事実)。神経を促した直後に動きへつなぐのが当相談所の設計です(当院の考え)。
③ 他動運動で筋ポンプを動かす:足首・手首・指を専門施術者が他動的に動かし、止まっていたポンプを再び働かせます。
④ ファシアと流れを整える:ファシア(筋・神経・血管を包む結合組織)の連絡を整え、リンパや静脈の流れに沿ったやさしい手技を併用します。
強く揉むのではなく、「動かして流す」。これが、ただ揉むだけのマッサージとの決定的な違いです。

家族が在宅でできること/ポジショニングと観察

ご家族にできるのは、重力を味方につける「挙上」と、こまめな体位変換、そして皮膚の観察です。
挙上:むくんだ手足を、クッションなどで心臓より少し高い位置に上げると、水分が重力で戻りやすくなります。
体位変換:同じ姿勢が続くと一部に水分がたまります。こまめに姿勢を変えましょう。
皮膚ケア:麻痺側は乾燥・傷に気づきにくいため、保湿し、毎日きずや色の変化を観察します。
流すなら関節をまたいで:さするときは、狭い範囲をこするだけでは水分は流れきりません。手首や足首など関節の先から先までを手のひらで包むように把握し、関節をまたいで心臓に向かってゆっくり押し流すと、リンパや静脈の戻りを助けられます(痛み・赤み・急な腫れがあるときは行わないでください)。
強く揉むことは避け、「上げる・動かす・流す・観る」を合言葉にしてください。

こんなむくみは要注意/すぐに主治医へ

次のようなむくみは、深部静脈血栓症(DVT)や心不全など、緊急性のある状態のサインかもしれません。その場合はマッサージをせず、すぐに主治医・救急にご相談ください。
・片側のふくらはぎなどが、急に・強く腫れた
・腫れた部分に痛み・赤み・熱感がある
・息切れ・胸の苦しさを伴う
・押すと強く痛む
血栓を揉んでしまうと、血のかたまりが流れて重大な事態を招くおそれがあります。むくみのケアは「安全の確認」が最優先です。当相談所の施術者も、施術前に必ず状態を確認し、リスクがあれば医療へおつなぎします。

長く続くむくみでも、改善は目指せるのか?

発症から時間が経ったむくみでも、筋ポンプを取り戻す取り組みによって変化は起こり得ます。「もう体質だから」と諦めないでください。
効果には個人差がありますが、麻痺側に少しずつ動きが戻り、関節がやわらかくなると、むくみが引きやすい体に近づきます。事例もあります。当相談所は、いまの状態からできることを一緒に組み立てます。

よくあるご質問

Q1. むくんだ手足は、家族が揉んであげてもいいですか? A. やさしくさする程度なら問題ありませんが、強く揉むのは避けてください。とくに急な片側の腫れ・痛み・赤みがあるときは、血栓のおそれがあるため揉まず、すぐ主治医にご相談ください。安全が確認できたうえで、挙上と他動運動を中心にするのが効果的です。
Q2. 弾性ストッキングは使ったほうがいいですか? A. 有効なこともありますが、動脈の状態や心臓の状態によっては不向きな場合があります。必ず主治医に相談のうえで使用してください。
Q3. 揉んでも揉んでもすぐ戻るのはなぜですか? A. 原因である「筋肉が動かない状態」が変わっていないからです。揉んで散らすより、麻痺側を動かして筋ポンプを働かせるほうが、戻りにくい体に近づきます。
Q4. 効果はどのくらいで現れますか? A. 状態によって大きく異なり、効果には個人差があります。比較的早く現れやすいのは、関節のやわらかさや手足の軽さといった変化です。これらを手がかりに進めます。
Q5. 健康保険は使えますか?無料体験では何が分かりますか? A. 訪問の鍼灸・マッサージは、医師の同意書があれば健康保険が使える場合があります(鍼灸とマッサージは別の同意書)。自己負担は1回数百円程度から、出張費は0円です。無料体験では、むくみの状態を安全に確認し、いまのお体に何ができるかをご説明します。お電話(0120-92-4976)・LINE・お問い合わせフォームから受け付けています。

まとめ|むくみは「揉む」より「動かして流す」

脳梗塞後の麻痺側のむくみは、筋肉が動かず筋ポンプが止まることが主な原因です。だからこそ、強く揉むより「動かして流す」こと、そして重力を使った挙上と皮膚の観察が大切になります。そして何より、急な片側の腫れや痛みは血栓のサインかもしれません――安全の確認を最優先にしてください。
大阪市・東大阪市・八尾市で、脳梗塞後の麻痺側のむくみにお困りのご家族は、健康保険適用の訪問鍼灸リハビリマッサージ相談所までご相談ください。鈴木の技術を継承した業務委託施術者をご紹介します。無料体験のお申し込み・ご相談はこちら。脳梗塞後の全体像は脳梗塞の訪問リハビリマッサージのページを、手指・肘のこわばりは拘縮を神経からゆるめる記事もご覧ください。


監修・技術指導:鈴木密正

鈴木密正(鍼灸あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師)が、本記事のアプローチを開発・体系化しています。PRI(Postural Restoration Institute)/DNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)/ファンクショナルトレーニング・PNF・YNSA など、機能解剖学・神経筋療法・伝統医療の現代的アプローチを統合し、脳梗塞後の麻痺・廃用症候群・パーキンソン病等の運動機能改善において、骨格→腹圧→体幹→歩行の4ステッププロセスを開発・指導しています。訪問リハビリマッサージ以外にも、東大阪市で治療院兼トレーニング・コンディショニングジムを運営しています(true-function.com)。

鈴木自身はご訪問できません

代表の鈴木は、既存のご利用者様への対応で予約が満杯のため、訪問リハビリマッサージの新規対応は停止しております。

「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した施術者がご訪問します

その代わり、鈴木が主催する「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した業務委託施術者をご紹介いたします。同じ4ステッププロセス(骨格→腹圧→体幹→歩行)とYNSAの考え方を学び、現場での実践指導を受けた施術者のみが、同等のアプローチでご訪問いたします。

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