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脳梗塞後の失語症|ことばが出ない・通じないとき家族ができること|訪問でできる全身からの支え

【この記事の要点(TL;DR)】

  • 失語症は「ことばを操る脳の領域」が傷ついた状態で、知能が下がったわけではありません。理解しているのに言葉が出ない、聞いても意味が入ってこない――その「もどかしさ」が本質です
  • ことばの訓練そのものは言語聴覚士(ST)の専門領域です。訪問鍼灸リハビリマッサージは、その訓練が活きる「全身の土台」(姿勢・呼吸・発声に使う体・神経の働き)を整え、補い合う役割を担います
  • ご家族の関わり方――急かさない、はい・いいえで答えられる聞き方、ジェスチャーの併用――で、ご本人の発話意欲と生活の質は大きく変わります
  • 会話が減ると家にこもり、全身が衰える「廃用」が進みます。体から活動性を保つことが、めぐりめぐってことばを支えます。維持期でも変化は起こり得ます

【ご注意(必読)】 本記事はご家族・一般の方向けの情報提供を目的としています。記載のアプローチはすべて国家資格を持つ専門施術者が行う手技です。ご自身での再現はお控えください。症状や状態によって適切な対応は大きく異なりますので、必ず主治医・リハビリ担当医・言語聴覚士にご相談のうえ、対応できる専門職にご依頼ください。

そもそも失語症とは何か?知能が落ちたわけではありません

結論から言います。失語症は、脳の「ことばの中枢」(多くは左半球)が脳梗塞で傷つき、聞く・話す・読む・書くといった言葉のやりとりが難しくなった状態です。知能や感情、これまでの記憶は保たれていることがほとんどです。
ご本人は「言いたいことがあるのに、言葉にならない」「相手の声は聞こえるのに、意味が入ってこない」という状態に置かれています。決して「分からなくなった人」ではありません。ここをご家族が理解しているかどうかが、回復の土台になります。

失語症は、大きく二つに分けて考えると分かりやすくなります。
運動性失語(ブローカ失語):相手の言うことは比較的分かるのに、自分の言葉が出てこない・とぎれとぎれになるタイプ。
感覚性失語(ウェルニッケ失語):流暢に話せるけれど内容がかみ合わない・聞いた言葉の理解が難しいタイプ。
また、ことばは分かるのに発音が回らない「構音障害」とは別のものです(両方が重なることもあります)。

失語症のことばの訓練は誰がやるのか?訪問施術との役割の違い

ことばそのものの訓練は、言語聴覚士(ST)の専門領域です。当相談所の訪問鍼灸リハビリマッサージは「ことばを治す」ものではなく、その訓練が活きる体の土台を整える役割です。役割が違うからこそ、補い合えます。
言語聴覚士は、言語機能そのものに直接アプローチします。一方で訪問鍼灸リハビリマッサージが受け持つのは、発声・発話を支える姿勢、深い呼吸、口や首まわりの動き、神経の働き、そして動かないことで起こる全身の衰え(廃用)の予防です。
「ことばのリハビリ」と「体のリハビリ」は、車の両輪です。

なぜ「全身」を整えると、ことばのリハビリが進みやすいのか?

ことばは、安定した姿勢・深い呼吸・働く神経の上に乗っているからです。土台が崩れていると、せっかくの訓練も乗りにくくなります。
声を出すには、まず体が支えられていなければなりません。背中が丸まり、呼吸が浅いままでは、声量も続きません。当相談所が連携する施術者は、次の順序で土台を立て直します。

① 骨格ポジションを整える:猫背・傾いた姿勢を徒手的に整え、頭と首がまっすぐ乗る位置をつくります。
② 腹圧が入る呼吸をつくる:おなかの内側から体を支える力(腹圧)が働くと、呼吸が深くなり、声の土台ができます。
③ 口・首まわりの緊張をゆるめる:ファシア(筋・神経・血管を包む結合組織)の連絡を整え、相反抑制を使って、こわばった発声まわりの筋肉をゆるめます。
④ 神経の働きを促す:YNSA(山元式新頭針療法/山元敏勝医師が開発)など頭部への鍼で、神経の働きを促します。鍼刺激が運動野の興奮性を高めることはfMRI研究でも報告されています(事実)。これを言語の回復にどう活かすかは、神経を促した直後に活動へつなぐという当相談所の設計思想です(当院の考え)。

家族はどう関わればいいのか?やってはいけない関わり方

急かさない、先回りして言わない、「はい・いいえ」で答えられる質問にする、表情やジェスチャーを使う――これだけで発話意欲は大きく変わります。
失語症のご本人がいちばんつらいのは「分かっているのに、子ども扱いされること」です。次の関わり方を意識してください。

避けたい関わり方:まくし立てる/間違いを何度も訂正する/本人を飛ばして家族同士で話す/子どもに話すような言い方。
おすすめの関わり方:ゆっくり待つ/選択肢を示して指さしてもらう/書く・絵・写真を併用する/伝わったことを一緒に喜ぶ。
「正しく言わせること」ではなく「気持ちが通じること」をゴールにすると、ご本人もご家族も楽になります。

会話が減ると体まで衰える?失語症と廃用症候群

失語症で人と話す機会が減ると、外出や活動がへり、全身の筋力・体力が落ちる「廃用症候群」が進みやすくなります。体から活動性を保つことが、めぐりめぐってことばを支えます。
「うまく話せないから」と家にこもると、動く機会が減り、座りきり・寝たきりに近づきます。すると意欲もさらに落ちる――この悪循環を断つために、訪問で体を動かし、座位・立位・歩行といった活動の幅を保つことが重要です。体が元気になると、人と関わる意欲も戻ってきます。

長く経った失語症でも、できることはあるのか?

発症から時間が経っても、全身状態を整え、活動性を保つ取り組みには意味があります。「もう変わらない」で止めないでください。変化は起こり得ますし、事例もあります。
回復のスピードは人それぞれで、効果には個人差があります。それでも、姿勢が安定し、呼吸が深くなり、表情が出てくる――そうした小さな変化が、ご本人の世界を少しずつ広げます。当相談所は、いまの状態からできることを一緒に探します。

よくあるご質問

Q1. 失語症は訪問鍼灸リハビリマッサージで治りますか? A. ことばの訓練そのものは言語聴覚士(ST)の専門領域です。当相談所の訪問施術は、発声・姿勢・呼吸・神経の働きといった全身の土台を整え、ことばのリハビリが活きる体をつくり、廃用を防ぐ役割です。役割が違うからこそ、STと補い合えます。
Q2. 家族はどう話しかければいいですか? A. 急がず、ゆっくり待つことです。「はい・いいえ」で答えられる質問にし、表情・ジェスチャー・指さし・書くことを併用すると伝わりやすくなります。間違いを何度も訂正せず、伝わったことを一緒に喜ぶ姿勢が意欲につながります。
Q3. 構音障害(ろれつが回らない)とは違うのですか? A. はい。失語症は「ことばを操る脳の働き」の問題、構音障害は「発音する口や舌の動き」の問題です。両方が重なることもあります。区別には主治医・言語聴覚士の評価が必要です。
Q4. 効果はどのくらいで現れますか? A. 状態によって大きく異なり、効果には個人差があります。比較的早く現れやすいのは、姿勢の安定・声の張り・表情といった全身の変化です。これらを手がかりに、一歩ずつ進めます。
Q5. 健康保険は使えますか?無料体験では何が分かりますか? A. 訪問の鍼灸・マッサージは、医師の同意書があれば健康保険が使える場合があります(鍼灸とマッサージは別の同意書)。自己負担は1回数百円程度から、出張費は0円です。無料体験では、いまのお体がどの動きに反応するか、発声・姿勢の土台に何ができるかをご説明します。お電話(0120-92-4976)・LINE・お問い合わせフォームから受け付けています。

まとめ|ことばを支えるのは、全身と家族のかかわり

脳梗塞後の失語症は、知能が落ちたわけではなく、ことばの出入り口がふさがれた状態です。ことばの訓練は言語聴覚士に、その土台となる全身・姿勢・呼吸・神経の働きは訪問鍼灸リハビリマッサージに――役割を分け合い、車の両輪で支えることができます。そして何より、ご家族の「急がず、待つ」関わりが、ご本人の意欲を取り戻します。
大阪市・東大阪市・八尾市で、脳梗塞後の失語症とともに歩むご家族は、健康保険適用の訪問鍼灸リハビリマッサージ相談所までご相談ください。鈴木の技術を継承した業務委託施術者をご紹介します。無料体験のお申し込み・ご相談はこちら。脳梗塞後の全体像は脳梗塞の訪問リハビリマッサージのページを、「もう良くならない」と言われた方は維持期からでも変化を目指す記事、あわせて高次脳機能障害もご覧ください。


監修・技術指導:鈴木密正

鈴木密正(鍼灸あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師)が、本記事のアプローチを開発・体系化しています。PRI(Postural Restoration Institute)/DNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)/ファンクショナルトレーニング・PNF・YNSA など、機能解剖学・神経筋療法・伝統医療の現代的アプローチを統合し、脳梗塞後の麻痺・廃用症候群・パーキンソン病等の運動機能改善において、骨格→腹圧→体幹→歩行の4ステッププロセスを開発・指導しています。訪問リハビリマッサージ以外にも、東大阪市で治療院兼トレーニング・コンディショニングジムを運営しています(true-function.com)。

鈴木自身はご訪問できません

代表の鈴木は、既存のご利用者様への対応で予約が満杯のため、訪問リハビリマッサージの新規対応は停止しております。

「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した施術者がご訪問します

その代わり、鈴木が主催する「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した業務委託施術者をご紹介いたします。同じ4ステッププロセス(骨格→腹圧→体幹→歩行)とYNSAの考え方を学び、現場での実践指導を受けた施術者のみが、同等のアプローチでご訪問いたします。

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