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脳梗塞のリハビリでやってはいけないこと|麻痺・拘縮を悪化させる6つのNGと正しい進め方
【この記事の要点(TL;DR)】
- 良かれと思った自己流ケア(強く揉む・無理に伸ばす・健側だけで頑張らせる)が、麻痺や拘縮をかえって悪化させることがある
- 「転ぶと危ないから安静に」も、廃用症候群を進める隠れたNG
- NGの背景には「緊張は揉めば取れる」「とにかく動かせば良くなる」という誤解がある。麻痺の緊張は脳からの反射の問題
- 正しい順序は骨格→腹圧→体幹→歩行の4ステップ。無料体験で、いまの状態に合った進め方を確認できます
【ご注意(必読)】 本記事はご家族・一般の方向けの情報提供を目的としています。記載のアプローチはすべて専門施術者が行う手技です。ご自身での再現はお控えください。症状や状態によって適切な対応は大きく異なりますので、必ず主治医・リハビリ担当医にご相談のうえ、対応できる専門施術者にご依頼ください。
なぜ「やってはいけないこと」が善意から生まれるのか?
結論から言います。脳梗塞後のNG行為のほとんどは、ご家族の善意と「体の誤解」の組み合わせから生まれます。
麻痺側の手足のつっぱり(痙縮)は、筋肉そのものが硬くなったのではなく、脳からの命令の調整が崩れた「反射の問題」です。だから「硬い→揉めば柔らかくなる」「動かない→無理にでも動かせば動くようになる」という、健康な体の常識がそのまま通用しません。むしろ逆効果になる場面があります。
ここからは、訪問の現場で実際によく出会う6つのNGを、「なぜダメなのか」「代わりに何をすべきか」とセットで解説します。
NG①:麻痺側の腕や足を力任せに強く揉み続ける
痙縮によるつっぱりは、強く揉んでも解けません。強い刺激はかえって反射を引き出し、揉む→一瞬緩む→すぐ硬くなる→もっと強く揉む、という「いたちごっこ」に陥ります。
代わりに必要なのは、緊張が脳から来ているのか末梢から来ているのかを分けたうえで、反射パターンそのものを解除していく手順です。ファシア(筋・神経・血管を包む結合組織。近年のスポーツ医科学・解剖学で用いられる概念)の滑りを取り戻し、相反抑制(主動筋を働かせると拮抗筋が緩む反射)を利用して、力づくではなく神経の仕組みを使って緩めていきます。
NG②:痛みを我慢させて関節を無理に伸ばす
「拘縮が怖いから」と痛みをこらえさせてグイグイ伸ばすのは危険です。特に麻痺側の肩は、筋肉の支えが弱くなっているため、無理な他動運動で亜脱臼や肩手症候群(肩から手にかけての強い痛み・腫れ)を招くことがあります。
関節を動かすこと自体は拘縮予防に重要ですが、「どの方向に・どの範囲で・どの支え方で」が状態によってまったく違います。肩の痛みがすでにある場合の考え方は脳梗塞後の肩の痛みの記事で詳しく解説しています。
NG③:動く方の手足だけで何でもやらせる
一見、自立を促しているようで、麻痺側が「使われない学習」をしてしまうのがこのNGです。米国の神経科学者Edward Taubらが提唱した「学習性不使用」という概念があり、使わない期間が長いほど、脳は麻痺側を「使わないもの」として扱うようになります。
すべてを麻痺側でやる必要はありません。ただ、麻痺側を「参加」させる場面を意図的に残すことが重要です。食器を押さえる、手すりに添える、体重を少し預ける――こうした小さな参加が、神経の通り道を保ちます。具体的な進め方は麻痺側を動かす在宅プログラムの記事をご覧ください。
NG④:転倒が怖いから歩かせない・座らせない
安全のための「安静」が、廃用症候群(使わないことによる筋力・心肺機能・関節の低下)を進めます。日本脳卒中学会の「脳卒中治療ガイドライン2021」でも、廃用症候群の予防と継続的なリハビリテーションが重視されています。
転倒対策は「歩かせない」ではなく、「安全に動ける土台と環境を作る」が正解です。骨格と腹圧を整えて支えられる体を作る、手すりや椅子の配置を見直す、介助者が軌道を誘導する――リスクを下げながら動く機会を守ります。
NG⑤:自己判断の長風呂・熱い風呂・急に激しい運動
血圧の急変動は再発リスクに直結します。熱い風呂や長風呂、急な力み(息を止めて力む動き)は血圧を大きく揺らします。運動や入浴の強度は、必ず主治医の管理の範囲内で設定してください。再発予防の生活全般は脳梗塞の再発予防の記事にまとめています。
NG⑥:「もう良くならない」と決めて、すべてを介助で済ませる
発症から時間が経つと、「これ以上は変わらない」と告げられることがあります。しかし長年経過したケース(5年・10年)でも、変化は起こり得ます。事例があります。こわばって曲がったままの指が伸びるようになる、固まっていた肘が少しずつ動くようになる――これらは奇跡ではなく、骨格→腹圧→体幹→歩行の順で積み上げた結果です。
「すべて介助」は短期的には楽でも、ご本人の機能とご家族の体力を少しずつ削っていきます。
では、正しい進め方はどうなるのか?
訪問リハビリマッサージ相談所では、鈴木密正(鍼灸あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師)が体系化した4ステップで進めます。
ステップ1:骨格ポジションの修正──麻痺側をかばって崩れた骨盤・背骨を徒手で整える。ステップ2:腹圧が入るポジションを整える──呼吸と横隔膜の動きを取り戻し、おなかの内側から支えられる体へ。ステップ3:体幹や骨盤底筋を機能させる──PNF(固有受容性神経筋促通法。1940年代にHerman Kabat医師が開発)で神経の通り道を整える。ステップ4:歩行・生活動作へつなげる──立ち座り・歩行を段階的に再建する。
この順序なら、揉み壊すことも、無理に動かして痛めることもありません。力づくではなく、体の仕組みに沿って変化を設計します。
よくあるご質問
Q1. 家族が毎日マッサージしてあげたいのですが、やめた方がいいですか? A. 優しくさする程度のスキンシップは問題ありません。ただし痙縮した筋肉を強く揉む・関節を無理に動かすことは悪化の恐れがあります。手技は専門施術者にお任せいただき、必ず主治医・リハビリ担当医にご相談のうえで進めてください。
Q2. デイサービスのリハビリと方針が違ったら、どちらに合わせるべきですか? A. 対立するものではありません。当相談所の施術は体の土台(骨格・腹圧・体幹)を整えるもので、デイサービスでの運動の効果を受け取りやすくする関係です。ケアマネジャーさんを通じた情報共有も行います。
Q3. 施術中に痛がったら中止すべきですか? A. 痛みを我慢させる施術は行いません。相談所が紹介する施術者は、痛みの出ない範囲・方向で神経と関節に働きかける手順を取ります。痛みが続く場合は主治医への相談を優先します。
Q4. 健康保険は使えますか? A. 医師の同意書があれば健康保険が適用され、自己負担は1回数百円程度から、出張費は0円です。
Q5. 無料体験はできますか? A. はい、初回の無料体験を実施しています。いまのケアがNGに当たっていないか不安な方も、体験時に現在の状態と適切な進め方をご確認いただけます。お問い合わせフォーム・お電話・LINEからお申し込みください。
まとめ|「揉む・伸ばす・安静」の前に、順序を知る
脳梗塞後の体は、健康なときの常識が通用しません。強く揉まない、無理に伸ばさない、安静にさせすぎない――そして骨格→腹圧→体幹→歩行の順序で立て直す。これが麻痺・拘縮を悪化させないための要点です。
まずは無料体験で、いまのケアが合っているかをご確認ください。大阪市・東大阪市・八尾市で、脳梗塞後のリハビリの進め方にお悩みのご家族は、健康保険適用の訪問リハビリマッサージ相談所までご相談ください。鈴木の技術を継承した業務委託施術者をご紹介します。無料体験のお申し込み・ご相談はこちら。脳梗塞後の対応の全体像は脳梗塞(脳卒中)後の訪問リハビリマッサージのページでご案内しています。
監修・技術指導:鈴木密正
鈴木密正(鍼灸あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師)が、本記事のアプローチを開発・体系化しています。 PRI(Postural Restoration Institute)/ DNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)/ファンクショナルトレーニング・PNF・YNSA など、機能解剖学・神経筋療法・伝統医療の現代的アプローチを統合し、脳梗塞後の麻痺・廃用症候群・パーキンソン病等の運動機能改善において、骨格→腹圧→体幹→歩行の4ステッププロセスを開発・指導しています。 訪問リハビリマッサージ以外にも、東大阪市で治療院兼トレーニング・コンディショニングジムを運営しています(true-function.com)。
鈴木自身はご訪問できません
代表の鈴木は、既存のご利用者様への対応で予約が満杯のため、訪問リハビリマッサージの新規対応は停止しております。
「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した施術者がご訪問します
その代わり、鈴木が主催する「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した業務委託施術者をご紹介いたします。同じ4ステッププロセス(骨格→腹圧→体幹→歩行)を学び、現場での実践指導を受けた施術者のみが、同等のアプローチでご訪問いたします。