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脳梗塞のリハビリは週何回がいいのか|週1〜2回でも積み上がる組み方・積み上がらない組み方
この記事の要点(TL;DR)
- 「週何回か」は、積み上がるかどうかを決めません。決めるのは施術と施術の間に、生活の動作をどう使うかです
- 神経の再学習は繰り返しで進み、組織(ファシア)と反射の解除は施術で条件を作るもの。役割が違う2つを回数だけで測るから答えが出ないのです
- 施術日に「できる条件」を作り、生活の動作を練習の場にすれば、週1〜2回でも積み上がります。緩めるだけでは回数があっても戻ります
- 回数を確保できないのは、ご本人やご家族の努力の問題ではありません。回数より先に組み方を決める価値があります
ご注意(必読)
- 本記事はご本人・ご家族向けの情報提供を目的としています
- 記載のアプローチはすべて専門施術者が行う手技です。ご自身での再現はお控えください
- 訪問リハビリテーションの回数や装具の変更は、必ず主治医・リハビリ担当医・ケアマネジャーにご相談ください
「週何回がいいのか」という問いは、どう立てるのが正しいか?
退院から数か月。訪問リハビリテーションの時間が減ると決まり、補うつもりで探し始めた。週1〜2回なら続けられそうだと決めたところへ、「毎日やらないと意味がない」という言葉が入ってくる。決めたはずの自分が揺らぐ——その揺らぎに答えます。
先に申し上げます。回数を確保できないのは、ご本人の意欲やご家族の段取りの問題ではありません。保険の枠には上限があり、療法士の時間は制度で決まります。回数は、頑張りで増やせる変数ではないのです(枠の仕組みは退院後のリハビリはどう続けるかへ)。
そのうえで、「週何回が正解か」には答えが出ません。回数が結果を決めていないからです。同じ週2回でも積み上がる方とそうでない方がいて、分けるのは施術のない日に何が起きているか。問いを「週1〜2回を残りの日にどうつなぐか」と立て直してください。
なぜ回数だけでは積み上がらないのか?——神経は「頻度」、組織は「間隔」
1つ目は神経です。麻痺側に指令を通し直す再学習は、繰り返しの回数で進みます。ここだけ見れば「毎日」は正しい。ただし繰り返す場所は施術者の前だけではありません。立ち上がる・トイレへ行く・コップを持つ——生活動作は条件さえ整えば全部が繰り返しになり、週数回の練習時間をはるかに超えます。
2つ目は組織と反射です。動かない期間に固まった結合組織(ファシア)の滑りや、麻痺側に居座る反射パターンは、意識では動かせません。ここは施術で条件を作る領域で、要るのは回数より「間隔」。施術で緩め、反射を解除し、次の施術までの生活でその条件を使う。使われた条件は残り、使われなかった条件は戻ります。
つまり施術は「練習そのもの」ではなく「練習ができる条件を作る日」です。整理せずに回数だけ増やすと、施術者の前では動けるのに家では戻る、を毎週繰り返します。
積み上がらない組み方——回数があっても戻る3つの例
次の組み方では、週1〜2回あっても積み上がりません。ご家族の落ち度ではありません。
| 組み方 | 体の中で起きていること |
|---|---|
| 施術で緩めるだけで終わる | 施術後は足首が動く・手が開きやすいのに、翌日からいつもの動作に戻る。緩んだ条件を使わずに次の施術日を迎え、毎週ゼロから始めることになります |
| 「危ないから」全部介助する | 転倒が怖くて、立ち上がりも移動もご家族が支える。正しい判断ですが、麻痺側が荷重を受ける機会がゼロだと、施術で作った条件を使う場面がありません |
| 動作のたびに注意する | 「膝を曲げて」「つま先を上げて」。善意の声かけほど麻痺側の緊張を上げ、施術で下げた緊張が声かけで戻ります |
共通するのは、施術日と施術のない日の分断です。週3回に増やしても分断が残る限り積み上がらず、逆に分断をなくせば週1〜2回で足ります。家庭で避けたいことはやってはいけないことへ。
積み上がる組み方——施術と施術の間に「何を使うか」を決める
核は1つです。施術日に「できる条件」を作り、次の施術日までの生活の動作を、その条件を使う場に変える。段取りは3つです。
- 「今週使う動作」を1つ決める——足首が上がりやすくなった週は「立ち上がりで踵を床につける」、手が開きやすくなった週は「コップを麻痺側で支える」。2つ以上にすると意識が増えて緊張が上がります
- その動作が起きる場面を家の中に固定する——練習時間を作るのではなく、1日に何度も起きる動作(トイレの立ち座り・洗面・食卓)に乗せます。時間を取らないから続きます
- ご家族は「注意」ではなく「環境」を担う——声をかける代わりに、椅子の高さ・手すり・敷物を整えます。動作が自然に正しい形で起きる環境があれば、意識も注意も要りません
こうして生活そのものが再学習の場になり、週1〜2回の施術は「条件を更新する日」になります。場面ごとの対応は家族が悩む8つの場面へ。
相談所が連携する施術者は、どう設計するのか?
「間を使う」組み方は、施術日に作る条件が本当に「使える条件」であって初めて成り立ちます。
順番は土台から——骨格 → 腹圧 → 体幹・骨盤底筋 → 歩行(動作)の4ステップです。腹圧が抜けたままでは、足首や手指だけ緩めても荷重した瞬間に緊張が戻るからです。だから骨格の位置を整え、腹圧が入る状態を作り、体幹と骨盤底筋を働かせてから、その週に使う動作へ落とし込みます。全体像は4ステップの解説へ。
そのうえで、麻痺側に居座る反射パターンを解除します。次に相反抑制(reciprocal inhibition)——主動筋を働かせると反対側の筋肉が緩む反射——を使い、すねの前の筋肉(前脛骨筋)に軽い抵抗をかけて働かせ、突っ張るふくらはぎ側を緩めます。この手法はPNF(固有受容性神経筋促通法)として体系化されています。
それでも残る固さは組織側の問題です。全身をつなぐ結合組織——ファシア(fascia)——が層の間で滑らなくなっています。ここを徒手で解き、次の施術日まで「使える条件」が残る状態に整えます。緊張の出どころが中枢側にあるケースでは、状態に応じてYNSA(山元式新頭針療法)——山元敏勝医師が開発した頭部への鍼——を組み合わせます。
施術の最後に、その週に使う動作を1つ、ご本人・ご家族と決めます。「何を緩めたか」ではなく「何を使うか」で施術日を終える。これが週1〜2回で積み上げる設計です。
病院の訪問リハビリテーション・通所リハビリと同じ週に入れる時の分業
訪問リハビリテーション(理学療法士等の訪問サービス)や通所リハビリと同じ週に、訪問リハビリマッサージ(健康保険適用の鍼灸マッサージ訪問)を入れる方は多くおられます。制度上は別の枠で、併用できます(枠と費用は介護保険と医療保険の併用へ)。
同じ週に入れるなら、分業を決めた方が積み上がります。療法士は歩行練習・生活動作の練習・装具の調整という「動作の練習」、相談所側は土台と反射・組織の解除という「練習が乗る条件」を担う。療法士が何を練習しているかを把握していれば、その練習で使う関節と筋の条件を施術日に優先して整えられます。回数や装具の変更は、主治医・ケアマネジャー・義肢装具士とご相談ください。
よくあるご質問
Q. 発症から年数が経っています。今さら週1〜2回で変わりますか?
A. 年数が経ったケースでも変化は起こり得ます。相談所には事例があります。年数で積み上がった組織の固さ(ファシア)は今からでも働きかけられる層です。ただし緩めるだけでは戻りやすく、「間に何を使うか」の設計がより大事です。
Q. 病院の訪問リハビリテーション・通所リハビリと併用できますか?
A. 併用されている方が多くいらっしゃいます。相談所側は土台と反射・組織の解除、療法士は動作の練習という分業です。現在の内容をお聞かせいただければ、重ならない形で設計します。
Q. 週1回と週2回、どちらにすべきですか?
A. 一律の答えはありません。目安は、施術で作った条件が次の施術日までに戻り切っているかどうか。戻り切るなら間隔を詰め、残るなら週1回で間を使う方が効率的です。体験時に拝見して決めます。
Q. 家族が毎日、練習に付き合わないといけませんか?
A. 練習時間を作る必要はありません。お願いしたいのは声かけではなく環境です。椅子の高さ・手すり・敷物を整え、「今週使う動作」が自然に起きる場面を残していただければ十分です。
Q. 健康保険で受けられますか?
A. 健康保険適用の訪問リハビリマッサージとしてお受けいただけます。1回あたりの自己負担は数百円程度〜が目安で、対応エリア内であれば出張費・交通費はかかりません。適用には医師の同意書が必要で、取得手続きは相談所が代行サポートいたします。
Q. どのエリアに来てもらえますか?
A. 大阪市(東成区・城東区・鶴見区)、東大阪市、八尾市へお伺いしています。
ご相談ください
相談所が「週何回か」ではなく「間に何を使うか」から設計するのは、回数を売るためではなく、施術者のいない日にご本人の生活が変わっていくことが目的だからです。退院から数か月は、組織の固さがまだ浅く、生活の動作量が戻り始める時期。ここで「間を使う組み方」が入ると、週1〜2回の施術が毎日の動作に乗って積み上がります。
大阪市(東成区・城東区・鶴見区)・東大阪市・八尾市で、週1〜2回で続けるべきか迷っておられるご本人・ご家族は、健康保険適用の訪問リハビリマッサージ相談所までご相談ください。回数の相談ではなく、施術と施術の間に何を使うかの相談から始め、今週使う動作を1つ決めるところから設計します。
監修・技術指導:鈴木 密正
鈴木 密正(鍼灸あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師)が、本記事のアプローチを開発・体系化しています。
PRI(Postural Restoration Institute)/DNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)/ファンクショナルトレーニング・PNF(固有受容性神経筋促通法)・YNSA(山元式新頭針療法)など、機能解剖学・神経筋療法・伝統医療の現代的アプローチを統合し、脳梗塞後の麻痺・廃用症候群・パーキンソン病等の運動機能改善において、骨格 → 腹圧 → 体幹・骨盤底筋 → 歩行の4ステッププロセスを開発・指導しています。
訪問リハビリマッサージ以外にも、東大阪市で治療院兼トレーニング・コンディショニングジムを運営しています(true-function.com)。
鈴木自身はご訪問できません
代表の鈴木は、既存のご利用者様への対応で予約が満杯のため、訪問リハビリマッサージの新規対応は停止しております。
「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した施術者がご訪問します
その代わり、鈴木が主催する「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した業務委託施術者をご紹介いたします。同じ4ステッププロセスを学び、現場での実践指導を受けた施術者のみが、同等のアプローチでご訪問いたします。
訪問リハビリマッサージ相談所/〒577-0056 大阪府東大阪市長堂1-8-28-1309/フリーダイヤル 0120-92-4976(9:00〜20:00・日曜・祝日定休)