TOP > 脳梗塞(脳卒中)後遺症の訪問リハビリマッサージ|麻痺・拘縮の改善 > 脳梗塞の退院後、リハビリはどう続ける?|自宅に戻ってからの選択肢を整理します
脳梗塞の退院後、リハビリはどう続ける?|自宅に戻ってからの選択肢を整理します
この記事の要点(TL;DR)
- 退院すると、リハビリの量は「毎日」から「週1〜2回」へ一気に減ります。回復が止まりやすいのは、体の限界ではなくこの量の段差が原因になっていることがあります
- 退院後の受け皿は主に4つ——外来・通所リハビリテーション(デイケア)・訪問リハビリテーション・訪問リハビリマッサージ。使う保険と役割が違います
- 訪問リハビリマッサージは健康保険の枠なので、介護保険の限度額を消費しません。「単位がいっぱい」でも上乗せできます
- 回復の差がつくのは、週数回のリハビリの時間よりも残りの時間の姿勢と動作です。ここを設計するのが訪問施術の役割です
ご注意(必読)
- 本記事はご本人・ご家族向けの情報提供を目的としています
- 記載のアプローチはすべて専門施術者が行う手技です。ご自身での再現はお控えください
- 退院後のリハビリ計画・服薬・再発予防は主治医の管理下にあります。サービスの組み合わせは主治医・ケアマネジャーにご相談のうえ進めてください
退院すると、リハビリの量はどうなるのか?
大きく減ります。ここを先に知っておいてください。
回復期リハビリテーション病棟に入院している間は、毎日リハビリの時間が確保されています。1日2〜3時間、理学療法士や作業療法士が付いて体を動かす——これが入院中の標準です。ところが退院した瞬間、この体制は終わります。外来や介護保険のサービスに切り替わると、専門職が体に触れる時間は週に1〜2回、1回20分〜1時間程度まで減るのが普通です。
「家に帰ってから、みるみる固くなった」「病院ではできていたことができなくなった」——退院後のご家族からよく伺う変化です。本人の頑張りが足りないのでも、ご家族の調べ方が悪かったのでもありません。毎日3時間が週に1時間になる、という段差が制度の構造として存在するのです。
だから退院後は、「どの施設が良いか」より先に「体に触れる専門家の手を、週に何回確保するか」という量の設計から考える必要があります。
退院後に使える選択肢は何があるのか?
主な受け皿は4つです。使う保険と、向いている状態が違います。
| 選択肢 | 使う保険 | 特徴 |
|---|---|---|
| 外来リハビリ(病院・クリニック) | 医療保険 | 通院が必要。発症からの日数に区切りがあり、維持期は介護保険のリハビリへ移る仕組みになっています |
| 通所リハビリテーション(デイケア) | 介護保険 | 送迎付きで施設へ通う。集団の時間が中心で、専門職が個別に触れる時間は限られやすい |
| 訪問リハビリテーション | 介護保険が中心 | 理学療法士等が自宅へ。ケアプランの単位の中でやりくりする |
| 訪問リハビリマッサージ・訪問鍼灸 | 健康保険(医療保険) | 通院が困難な方が対象。医師の同意書が必要。介護保険の限度額を消費しない |
各時期の流れ(急性期→回復期→維持期)そのものについては脳梗塞の回復過程で解説しています。この記事では「維持期に入ってから、量をどう確保するか」に絞ります。
どう組み合わせるのが現実的か?
分かれ目は「通えるかどうか」と「介護保険の枠が残っているか」の2つです。
安定して通えるなら、外来やデイケアが軸になります。問題は、麻痺やふらつきがあって外出そのものが負担になっている方です。この場合は訪問系を軸にしますが、ここで多くのご家族がぶつかるのが介護保険の壁です。デイサービス・ヘルパー・訪問看護・福祉用具——要介護度ごとに決まった月の限度額の中で、すでに枠が埋まっている。ケアマネジャーに「単位がいっぱいで、リハビリはこれ以上増やせません」と言われる。
このときに知っておいていただきたいのが、健康保険適用の訪問リハビリマッサージは介護保険の枠の外にあるという事実です。医師の同意書のもとで健康保険(療養費)を使うサービスなので、ケアプランの単位を1つも消費せずに、週の回数を上乗せできます。この仕組みの詳細は「限度額がいっぱい」と言われたらにまとめました。
組み合わせは、主治医とケアマネジャーへの共有が前提です。相談所から制度の説明をすることもできますので、ご家族が一人で調整する必要はありません。
自宅に戻ってからの回復は、何で差がつくのか?
週数回のリハビリの中身と同じくらい、それ以外の時間に体がどんな位置で過ごしているかで差がつきます。
1週間は168時間あります。リハビリが週3回・各1時間でも3時間。残りの165時間、背中が丸まり骨盤が後ろに倒れた姿勢で座り続けていれば、体はその形を記憶していきます。動かない時間が続くと、筋肉だけでなく組織そのものが固まります。近年のスポーツ医科学・解剖学では、筋・神経・血管・内臓を包んで全身をつないでいる結合組織のネットワークをファシア(fascia)と呼びますが、このファシアが層と層の間で滑らなくなると、筋力が残っていても関節が動かなくなっていきます。
つまり退院後の勝負は「リハビリの1時間」対「残りの165時間」の綱引きです。訪問施術の役割は、手技で体を変えることに加えて、残りの時間の姿勢・椅子・寝る位置・動き方を実際のお部屋で設計することにあります。ここは施設に通うサービスでは届かない部分です。
相談所が連携する施術者は、退院後の時期に何をするのか?
骨格 → 腹圧 → 体幹・骨盤底筋 → 歩行、の4ステップで進めます。
まず入院期間で崩れた骨格の位置を、受動的な徒手アプローチで整えます。この工程は本人の努力を必要としないので、疲れやすい時期でも受けられます。次に、おなかの内側から体を支える力(腹圧)が入る状態をつくります。腹圧が入らない原因は、骨格の崩れ・呼吸の浅さ・骨盤底筋が働いていないことにあります。肋骨と横隔膜の動きを出してから、PNF(固有受容性神経筋促通法)——1940年代に Herman Kabat 医師が開発した、軽い抵抗をかけて神経の通り道を使わせる手法——で体幹と骨盤底筋を働かせ、最後に歩行の安定へつなげます。
麻痺側の緊張が強い場合は、状態に応じてYNSA(山元式新頭針療法)——宮崎の山元敏勝医師が開発した、頭部への鍼によって全身の状態を整える手法——を組み合わせます。単に揉む・単に動かすのではなく、この順番で土台から積むことが、週1〜2回の訪問でも積み上がる理由です。
よくあるご質問
Q. 家族が記事を読んで、自分でリハビリの代わりをしてもいいですか?
A. 姿勢の環境(椅子の高さ・座る時間の区切り・動線)を整えることは、ご家族に行っていただける範囲です。関節を動かす手技や負荷の設定については、専門施術者の判断なしの自己流アプローチは状態を悪化させる恐れがあります。必ず主治医にご相談のうえ、対応できる専門施術者にご依頼ください。相談所では適切な施術者をご紹介します。
Q. 退院してすぐでも訪問施術を受けられますか?
A. 主治医の同意が得られれば受けられます。退院直後は経過観察と再発予防が最優先の時期ですので、必ず主治医にご相談のうえ進めてください。同意書の手続きは相談所が代行サポートいたします。
Q. 病院の外来リハビリやデイケアと併用できますか?
A. 併用されている方が多くいらっしゃいます。制度上も別のサービスです。保険の取り扱いは受けている治療の内容との関係で決まる部分があるため、現在の通院状況をお聞かせいただければ相談所で整理してお伝えします。
Q. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 健康保険適用で、1回あたりの自己負担は数百円程度〜が目安です。対応エリア内であれば出張費・交通費はかかりません。詳しくは訪問鍼灸は健康保険で受けられるのか|同意書・費用・対象になる症状をご覧ください。
Q. 退院からしばらく経ってしまいました。今からでは遅いですか?
A. 遅くありません。年数が経ったケースでも変化は起こり得ます。相談所には事例があります。詳しくは発症から5年・10年たった脳梗塞の麻痺は、もう変わらないのかをご覧ください。
Q. どのエリアに来てもらえますか?
A. 大阪市(東成区・城東区・鶴見区)、東大阪市、八尾市へお伺いしています。
ご相談ください
大阪市(東成区・城東区・鶴見区)・東大阪市・八尾市で、脳梗塞の退院後のリハビリの続け方にお悩みのご本人・ご家族は、健康保険適用の訪問リハビリマッサージ相談所までご相談ください。いま週に何回、体に触れる専門家の手が入っているか——まずそこから一緒に数えて、足りない分をどう確保するかをご提案します。
監修・技術指導:鈴木 密正
鈴木 密正(鍼灸あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師)が、本記事のアプローチを開発・体系化しています。
PRI(Postural Restoration Institute)/DNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)/ファンクショナルトレーニング・PNF(固有受容性神経筋促通法)・YNSA(山元式新頭針療法)など、機能解剖学・神経筋療法・伝統医療の現代的アプローチを統合し、脳梗塞後の麻痺・廃用症候群・パーキンソン病等の運動機能改善において、骨格 → 腹圧 → 体幹・骨盤底筋 → 歩行の4ステッププロセスを開発・指導しています。
訪問リハビリマッサージ以外にも、東大阪市で治療院兼トレーニング・コンディショニングジムを運営しています(true-function.com)。
鈴木自身はご訪問できません
代表の鈴木は、既存のご利用者様への対応で予約が満杯のため、訪問リハビリマッサージの新規対応は停止しております。
「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した施術者がご訪問します
その代わり、鈴木が主催する「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した業務委託施術者をご紹介いたします。同じ4ステッププロセスを学び、現場での実践指導を受けた施術者のみが、同等のアプローチでご訪問いたします。
訪問リハビリマッサージ相談所/〒577-0056 大阪府東大阪市長堂1-8-28-1309/フリーダイヤル 0120-92-4976(9:00〜20:00・日曜・祝日定休)