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退院3か月で訪問リハビリテーションの回数が減ると言われたら|枠は減っても体の余地は減らない
この記事の要点(TL;DR)
- 「回数が減る=回復が終わる」ではありません。減るのは医療保険の訪問リハビリテーションの単位数という制度の枠で、体が変わる余地ではありません
- 退院日から3か月以内は週12単位まで認められる上限が、3か月を境に週6単位に戻る。「時間が減ります」の正体はこれです
- 退院3か月からは、脳からの緊張に組織の固さ(ファシア)が重なり始める時期。療法士の動作練習と、土台づくりの分業で週は組み直せます
- あん摩マッサージ指圧師による訪問リハビリマッサージは、医師の同意書があれば健康保険で受けられ、上記の単位数とは別枠です
ご注意(必読)
- 本記事はご本人・ご家族向けの情報提供を目的としています。制度の個別の適用は、主治医・ケアマネジャー・担当の事業所にご確認ください
- 記載のアプローチはすべて専門施術者が行う手技です。ご自身での再現はお控えください
- 訪問リハビリテーションの回数や期間、薬・装具については、必ず主治医・リハビリ担当医にご相談のうえ、対応できる専門施術者にご依頼ください
「回数が減ります」の正体は何か?——退院3か月で週の上限が半分になる
退院して3か月。麻痺側の腕はまだ曲がりやすく、手指の練習はこれから。そこへ療法士から「来月から時間が減ります」と告げられる。まだ変わっている途中なのに、なぜ今なのか。そう感じるのは当然です。
答えは体ではなく、制度の側にあります。医療保険で受ける訪問リハビリテーション(在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料)は、1単位20分で週6単位までと上限が決まっています。ただし退院日から3か月以内に限り、週12単位まで認められます。退院3か月を境に週の上限が半分になる——「時間が減る」の正体は、この切り替わりです。
枠はほかにもあります。要介護・要支援の認定を受けている方は介護保険の訪問リハビリテーションが優先され、医療保険では原則算定できません。介護保険には区分支給限度額があり、他のサービスと枠を分け合います(「限度額がいっぱい」と言われたら)。通院・外来の脳血管疾患等の疾患別リハビリテーションには標準的算定日数180日があり、以降は月13単位の上限や介護保険への移行が基本です。
3か月・180日は制度の区切りであって、体の区切りではありません。
なぜ「まだ途中なのに」と感じるのか?——制度の時計と体の時計は別々に進む
制度の区切りは、回復が終わる日を示すものではありません。むしろ退院3か月前後は、体の中で別の変化が始まる時期です。腕が曲がる・ふくらはぎが突っ張るといった緊張は、最初は脳からの指令が抑えられない状態(痙縮)として現れます。そこに、動かせなかった期間の分だけ、筋・神経・血管を包んで全身をつなぐ結合組織——ファシア(fascia)——の固さが重なり始めるのが、ちょうどこの頃です(痙縮と拘縮の違い)。
だから焦るのは、感覚として正しいのです。ご本人の努力が足りないのでも、ご家族の介助が悪いのでもありません。手を入れる価値がある時期に、枠だけが縮むからです。変えるべきは気持ちではなく、週の組み立て方です。
枠が減った後に起きやすいこと——体の変化が止まるのは制度のせいではない
枠が減ったあと何もしなければ、次の流れに入りやすくなります。
- 麻痺側を動かす機会が減り、今の形で固まる——療法士が来ない日は麻痺側の腕や足が使われないまま過ぎ、過緊張が組織の固さへ移ります
- ご家族が代わりに「動かして」しまう——曲がった腕を強く伸ばす・突っ張った足を押し返す。善意の介助が伸張反射を煽り、緊張を上げることがあります
変化が止まるのは「枠が減ったから」ではなく「減った枠を埋める設計がないから」です。
どこから組み立て直すのか?——週の総量は、別の枠で組み直せる
使える枠は一つではありません。大きく3つです。
| 枠 | 担い手 | 得意なこと |
|---|---|---|
| 医療保険・介護保険の訪問リハビリテーション | 理学療法士・作業療法士 | 歩行・手指など、動作そのものの練習 |
| 通所リハビリテーション・デイサービス | 事業所の療法士・スタッフ | 外出の機会、機器を使った練習 |
| 健康保険の訪問リハビリマッサージ(療養費) | あん摩マッサージ指圧師 | 骨格・腹圧・体幹の土台づくり、反射パターンと組織の固さの解除 |
3つ目のあん摩マッサージ指圧師による訪問リハビリマッサージは、医師の同意書があれば健康保険で受けられ、訪問リハビリテーションの単位数とは別枠です。同意書は有効期間6か月で、更新しながら続けます(同意書・費用・対象になる症状/介護保険と医療保険の併用)。介護保険の区分支給限度額を消費しないため、ケアマネジャーが組むサービスと重ねて入れられます。
要は役割を分けることです。療法士は動作を積み上げる側。相談所が連携する施術者は、その動作が乗る土台——骨格 → 腹圧 → 体幹・骨盤底筋 → 歩行(動作)の4ステップ——を整える側です。腹圧が抜けたままでは、手指の練習も歩行練習も乗りません。土台が整った状態で療法士の練習日を迎える。全体像は退院後の選択肢の整理へ。
相談所が連携する施術者は、どう設計するのか?
まず骨格の位置を整え、おなかの内側から体を支える力(腹圧)が入る状態をつくり、体幹と骨盤底筋を働かせてから、歩行や手を使う局面に入る。この4ステップの順番は変えません。
最初に、麻痺側に居座っている反射パターンを解除します。緊張が脳から来ているのか、末梢の組織から来ているのかを分けるところからです。次に、相反抑制(reciprocal inhibition)——主動筋を働かせると反対側の筋肉が緩む反射——を使います。突っ張るふくらはぎを揉むのではなく、すねの前の筋肉(前脛骨筋)へ軽い抵抗をかけて働かせ、反対から緩める。この手法はPNF(固有受容性神経筋促通法)として体系化されています。
それでも残る固さは、組織側の問題です。動かせなかった腕や足首ではファシア(fascia)が層と層の間で滑らなくなっています。ここを徒手で解いて、関節が分けて動ける条件を作ります。緊張の出どころが中枢側にあるケースでは、状態に応じてYNSA(山元式新頭針療法)——宮崎の山元敏勝医師が開発した、頭部への鍼によって全身の状態を整える手法——を組み合わせます。
そして週の設計です。施術日に「腕が伸びる」「踵がつく」条件を作り、療法士の練習日と日々の生活動作で、その条件を使う。週1〜2回で積み上がるかどうかは、回数よりも、施術と練習の間に何を使うかで決まります。
ケアマネジャー・主治医に何をどう相談するか(言い方の例)
制度の話は、聞き方が分かるだけで動き出します。
- ケアマネジャーへ——「訪問リハビリテーションが減る分を補いたい。区分支給限度額の中で何が組めるか」「健康保険の訪問リハビリマッサージは限度額の外と聞いた。併用して組めるか」
- 主治医へ——「訪問リハビリテーションと併用して、あん摩マッサージ指圧師による訪問リハビリマッサージを受けたい。同意書をお願いできるか」。同意書の判断は主治医が行い、手続きは相談所が代行サポートします
- 療法士へ——「今の練習内容と、家で気をつけることを教えてほしい」
よくあるご質問
Q. 発症から年数が経っています。今から組み直しても変わりますか?
A. 年数が経ったケースでも変化は起こり得ます。相談所には事例があります。年数で積み上がった組織の固さ(ファシア)は、今からでも働きかけられる層です。
Q. 病院の訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションと併用できますか?
A. 併用されている方が多くいらっしゃいます。療法士は動作の練習、相談所側は骨格・腹圧・体幹の土台と、反射・組織の固さの解除を担います。
Q. 介護保険の認定を受けていません(申請中です)。減った分を補う手段はありますか?
A. あん摩マッサージ指圧師による訪問リハビリマッサージは、医師の同意書があれば健康保険で受けられ、介護保険の認定とは別の枠です。認定の申請そのものは、ケアマネジャー・地域包括支援センターにご相談ください。
Q. 回数が減った分、家族が毎日腕や足を動かした方がいいですか?
A. 曲がった腕を強く伸ばす・突っ張った足を押し返す介助は、緊張を強めて逆効果になることがあるためお控えください。代わりに、どの場面で腕が曲がるか・足が突っ張るかを覚えておいてください。手技は必ず主治医にご相談のうえ、対応できる専門施術者にご依頼ください。
Q. 健康保険で受けられますか?
A. 健康保険適用の訪問リハビリマッサージとしてお受けいただけます。1回あたりの自己負担は数百円程度〜が目安で、対応エリア内であれば出張費・交通費はかかりません。適用には医師の同意書が必要で、取得手続きは相談所が代行サポートいたします。
Q. どのエリアに来てもらえますか?
A. 大阪市(東成区・城東区・鶴見区)、東大阪市、八尾市へお伺いしています。
ご相談ください
相談所がこの時期を土台から診るのは、退院3か月が「終わり」の合図ではなく、脳からの緊張と組織の固さが重なり始める入口だからです。変わっている途中のうちに手を入れる。枠の数字を見て諦める前に、週の組み立てを見直す。
大阪市(東成区・城東区・鶴見区)・東大阪市・八尾市で、訪問リハビリテーションの回数が減ると言われたご本人・ご家族は、健康保険適用の訪問リハビリマッサージ相談所までご相談ください。減った枠を、別の枠で組み直します。現在の週の内容をお聞かせいただくところから、次の3か月を一緒に設計します。
監修・技術指導:鈴木 密正
鈴木 密正(鍼灸あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師)が、本記事のアプローチを開発・体系化しています。
PRI(Postural Restoration Institute)/DNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)/ファンクショナルトレーニング・PNF(固有受容性神経筋促通法)・YNSA(山元式新頭針療法)など、機能解剖学・神経筋療法・伝統医療の現代的アプローチを統合し、脳梗塞後の麻痺・廃用症候群・パーキンソン病等の運動機能改善において、骨格 → 腹圧 → 体幹・骨盤底筋 → 歩行の4ステッププロセスを開発・指導しています。
訪問リハビリマッサージ以外にも、東大阪市で治療院兼トレーニング・コンディショニングジムを運営しています(true-function.com)。
鈴木自身はご訪問できません
代表の鈴木は、既存のご利用者様への対応で予約が満杯のため、訪問リハビリマッサージの新規対応は停止しております。
「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した施術者がご訪問します
その代わり、鈴木が主催する「訪問リハビリマッサージ施術勉強会」で技術を継承した業務委託施術者をご紹介いたします。同じ4ステッププロセスを学び、現場での実践指導を受けた施術者のみが、同等のアプローチでご訪問いたします。
訪問リハビリマッサージ相談所/〒577-0056 大阪府東大阪市長堂1-8-28-1309/フリーダイヤル 0120-92-4976(9:00〜20:00・日曜・祝日定休)