筋ジストロフィーのリハビリテーションの基本方針
筋ジストロフィーのリハビリテーションでは、「残存機能の維持」と「合併症の予防」が最重要目標です。過度な運動は筋損傷のリスクがありますが、適切な運動は関節拘縮の予防、呼吸機能の維持、QOLの向上に不可欠です。
進行段階別のリハビリ目標
| 段階 | 状態 | リハビリ目標 |
|---|---|---|
| 歩行可能期 | 自力または補助具で歩行可能 | 歩行能力維持、拘縮予防、転倒予防 |
| 車椅子期 | 車椅子での移動が主 | 上肢機能維持、座位姿勢管理、呼吸機能維持 |
| 臥床期 | ベッド上での生活が中心 | 拘縮予防、呼吸管理、褥瘡予防 |
自宅でできるリハビリメニュー
ストレッチ(全段階共通)
毎日のストレッチは筋ジストロフィーのリハビリの基本です。特にアキレス腱、膝関節、股関節、手指の拘縮予防が重要です。各関節をゆっくりと最大可動域まで伸ばし、15〜20秒間保持します。痛みのない範囲で、1日2回以上行いましょう。入浴後の体が温まった状態で行うとより効果的です。
軽度の有酸素運動(歩行可能期)
水中歩行や自転車エルゴメーター(固定式自転車)など、関節への負担が少ない有酸素運動が推奨されます。運動強度は最大心拍数の50〜60%程度とし、疲労を感じたら休憩を取ります。運動後に筋肉痛が2日以上続く場合は、強度を下げる必要があります。
呼吸リハビリ
腹式呼吸の練習、深呼吸、咳嗽力を維持するための訓練を行います。バッグ・バルブ・マスク(アンビューバッグ)を使った肺の膨らませ訓練も呼吸機能維持に有効です。呼吸筋の疲労に注意しながら、短時間ずつ行います。
在宅生活を快適にする環境調整
| 課題 | 対応策 |
|---|---|
| 移動の困難 | 電動車椅子、リフト、段差解消機の導入 |
| 入浴の困難 | 入浴リフト、シャワーキャリー、浴室改修 |
| 排泄の困難 | ポータブルトイレ、電動昇降便座 |
| 食事の困難 | 自助食器、電動昇降テーブル、食事介助 |
| 就寝時の問題 | 電動ベッド、体位変換クッション、エアマット |
| コミュニケーション | 意思伝達装置、タブレット、環境制御装置 |
栄養管理の重要性
筋ジストロフィーでは、活動量の低下に伴い肥満になりやすい一方、進行期には嚥下障害により低栄養に陥るリスクもあります。適切なカロリー管理とタンパク質の摂取が重要です。嚥下障害が出現したら、食形態の調整(とろみ食、ソフト食)や嚥下訓練を行い、必要に応じて経管栄養も検討します。
よくある質問(FAQ)
Q. 筋ジストロフィーでステロイド療法は効果がありますか?
A. デュシェンヌ型ではステロイド(プレドニゾロン、デフラザコルト)が筋力低下の進行を遅らせる効果が確認されています。副作用管理が必要ですので、主治医の指導のもとで使用します。
Q. 遺伝子治療は受けられますか?
A. エクソンスキッピング療法(ビルトラルセンなど)がデュシェンヌ型の一部で承認されています。対象となる遺伝子変異のタイプにより適応が異なりますので、主治医に確認してください。
監修者情報
本記事は、訪問リハビリマッサージの臨床経験を持つ専門家が監修しています。個別の症状については、必ず主治医にご相談ください。




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