転倒の本当の原因は「姿勢」にある
「筋力をつければ転ばなくなる」──一般的にはそう思われていますが、筋力トレーニングだけでは転倒は防げません。実は転倒の根本原因は姿勢の崩れにあり、姿勢を改善しない限り、いくら筋トレをしても転倒リスクは下がらないのです。
猫背で骨盤が後傾すると、殿筋が使えなくなります。殿筋が使えないと膝と太もも前面で体を支える「膝重心」になり、歩幅が狭くなり、すり足になり、つまずきやすくなります。この姿勢の連鎖を断ち切ることが、本当の転倒予防です。
なぜ猫背が転倒を招くのか
猫背は見た目の問題だけでなく、体の動きに深刻な影響を与えます。背中が丸まると骨盤が後ろに傾き、股関節が十分に伸展できなくなります。股関節が伸びないと殿筋が発揮できず、代わりに太もも前面と外側の筋肉が過剰に働きます。
この状態では地面をしっかり蹴れない、大股で歩けない、方向転換で体がふらつくといった問題が起こります。さらに頭が前に出ることで重心が前方に偏り、少しの外乱で体勢を崩しやすくなります。
ジョイント・バイ・ジョイント・コンセプトで見ると、猫背は胸椎のモビリティが失われた状態です。胸椎が固まると、その代償で腰椎に過度な負担がかかり、腰痛も合併しやすくなります。
姿勢改善のための施術アプローチ
①筋膜の癒着を解消する
長年の猫背で固まった筋膜は、アクティブリリーステクニック(ART)で丁寧にリリースします。特に胸郭前面、肩甲骨周囲、股関節前面の筋膜の癒着を解消することで、体が「伸びられる」状態を作ります。曲がったものでもある程度姿勢を改善できるのが、この技術の強みです。
②深層筋のこわばりを取り除く
表面の筋肉だけでなく、深層の多裂筋や回旋筋といった脊柱を支える小さな筋肉のこわばりも取り除きます。これにより脊柱本来のカーブが回復し、背骨が自然と起き上がれる環境が整います。
③殿筋・体幹の活性化
姿勢を支える土台となる殿筋群(大殿筋・中殿筋・外旋六筋)と体幹を活性化します。骨盤底筋から腹圧を立ち上げ、内転筋と殿筋が連動して機能する状態を作ることで、股関節に重心を乗せた安定した立位が可能になります。
「膝重心」から「股関節重心」への転換
姿勢改善と並行して、立ち方・歩き方のパターンを根本から変える指導を行います。膝重心の立ち方では、椅子から立ち上がる時も膝に力を入れて前に突き出すように立ちます。この動きは尻もちの原因にもなります。
正しくは、股関節から体を前に倒し、太もも裏とお尻に重心を乗せて立つのです。この立ち方をマスターすると、立ち座りが楽になるだけでなく、歩行も安定します。殿筋で地面を押し、大股でしっかり歩ける状態が転倒予防の理想形です。
訪問施術だからできる生活環境に合わせた指導
転倒は自宅内で起こることが最も多いと言われています。訪問施術であれば、ご自宅の廊下の幅、段差の高さ、トイレ・浴室の動線を確認しながら、実際の生活空間に即した転倒予防指導が可能です。
私たちは単なるマッサージではなく、患者様の将来を見越したケアを提供しています。姿勢を整え、正しい動き方を身につけることで、転倒のない安心した暮らしを実現しましょう。




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