寝たきりの褥瘡(床ずれ)予防|原因・好発部位・ケア方法を徹底解説

褥瘡(床ずれ)の予防と対策|寝たきりの方を守るために

褥瘡(じょくそう)は、同じ姿勢で長時間圧迫されることにより、皮膚や皮下組織が損傷する状態です。寝たきりの方の約10〜30%に発生するとされ、感染症などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。しかし、適切な予防策で大部分は防ぐことが可能です。

褥瘡が発生するメカニズム

発生要因 メカニズム
圧迫 体重による持続的な圧迫で血流が途絶え、組織が壊死
摩擦 体を引きずるように移動させると皮膚表面が損傷
ずれ力 ベッドのギャッチアップ時に体がずり落ち、深部組織が損傷
湿潤 汗、尿失禁等で皮膚がふやけ、バリア機能が低下

褥瘡の好発部位

体位 好発部位
仰臥位(あおむけ) 仙骨部(お尻の上)、踵(かかと)、後頭部、肩甲骨
側臥位(横向き) 大転子部(太ももの付け根外側)、くるぶし、耳
座位 坐骨部(座ったときに当たる骨)、尾骨

最も多い発生部位は仙骨部で、全褥瘡の約30〜40%を占めます。

褥瘡のリスク要因

リスク要因 なぜリスクが高まるか
寝たきり・活動制限 自力での体位変換ができない
低栄養 皮膚・組織の修復力が低下
やせ型 骨が突出し、圧迫が集中しやすい
尿・便失禁 皮膚の湿潤・汚染でバリア機能低下
糖尿病 末梢循環障害、創傷治癒の遅延
浮腫(むくみ) 組織への酸素供給低下
感覚障害 痛みを感じないため、無意識の体位変換が起こらない

褥瘡予防の5つの柱

1. 体位変換

ポイント 方法
頻度 原則2時間ごとに体位を変える
角度 30度側臥位が最も圧分散に効果的
クッション活用 体の下にクッションやタオルを入れて圧を分散
踵の浮かせ 踵の下にクッションを入れ、かかとを浮かせる

2. 体圧分散マットレス

種類 特徴 適応
静止型(高機能ウレタン等) 体圧を広い面積で分散 褥瘡リスクが中程度の方
圧切替型(エアマット) 空気圧を交互に切り替え、圧迫部位を変化 褥瘡リスクが高い方、自力で体位変換できない方

介護保険でレンタルが可能です(要介護2以上が原則)。

3. スキンケア

ケア 方法
清潔保持 入浴・清拭で皮膚を清潔に。失禁時は速やかに交換
保湿 保湿クリームで皮膚の乾燥を防ぐ
皮膚の観察 毎日、好発部位の皮膚の色・状態をチェック
摩擦の防止 移動時は体を引きずらず、持ち上げるかスライドシートを使用

4. 栄養管理

十分なタンパク質、ビタミンC、亜鉛の摂取が皮膚・組織の修復に重要です。低栄養状態では褥瘡が発生しやすく、治りにくくなります。

5. リハビリテーション

できる範囲で体を動かすことが最大の褥瘡予防です。関節を動かす、座位をとる、寝返りを促すなど、活動量を増やすことで圧迫時間を短縮できます。

訪問リハビリマッサージの褥瘡予防効果

施術内容 褥瘡予防への効果
全身マッサージ 血行促進で組織への酸素・栄養供給を改善
関節可動域訓練 体位変換時の動きやすさを維持
体位変換の介助・指導 適切な体位変換方法をご家族に指導
離床促進 座位時間の確保で臥床時間を短縮
皮膚状態の観察 定期訪問時に好発部位をチェック、早期発見

よくある質問(FAQ)

Q. 褥瘡の初期サインは何ですか?

A. 好発部位の発赤(赤み)が初期サインです。指で押しても赤みが消えない場合は褥瘡の始まりの可能性があります。この段階で対策すれば、多くの場合悪化を防げます。

Q. エアマットを使えば体位変換は不要ですか?

A. エアマットは体位変換の代替にはなりません。体圧分散に効果的ですが、定期的な体位変換と組み合わせることで最も効果を発揮します。

Q. 円座(ドーナツクッション)は効果がありますか?

A. 現在では円座の使用は推奨されていません。穴の周囲に圧力が集中し、かえって血流を悪化させることがあるためです。体圧分散クッションの使用が推奨されます。

まとめ|褥瘡は予防できる

褥瘡は「体位変換」「体圧分散」「スキンケア」「栄養管理」「リハビリ」の5つの柱で予防可能です。訪問リハビリマッサージは血行促進と活動量維持の両面から褥瘡予防に貢献します。

訪問リハビリマッサージ相談所
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【監修者情報】
訪問リハビリマッサージ相談所 代表
国家資格保有の施術者が在籍。寝たきりの方の褥瘡予防に関する訪問施術の豊富な実績に基づき、実践的な情報を発信しています。