股関節の痛みと骨盤の傾きは深く関係している
変形性股関節症の方の姿勢を詳しく評価すると、多くの場合骨盤の過度な前傾と腰椎の過前弯(反り腰)が見られます。この姿勢パターンは単なる「姿勢の悪さ」ではなく、股関節の痛みと直接的に関連しています。
骨盤が前傾すると、臼蓋(股関節の受け皿)の向きが変わり、大腿骨頭への荷重パターンが偏ります。特に股関節の前方に圧力が集中しやすくなり、歩行時や立ち上がり時の股関節前面の痛みの原因となります。
当相談所では、この骨盤アライメントの修正を変形性股関節症施術の重要な柱として位置づけています。
骨盤前傾が起こるメカニズム
臼蓋形成不全との関連
変形性股関節症の方に多い臼蓋形成不全(臼蓋が浅い状態)は、骨盤前傾の一因です。臼蓋が浅いと、大腿骨頭のカバー率を少しでも高めようとして、体が無意識に骨盤を前傾させます。前傾すると臼蓋の前方カバー率は一時的に増しますが、代わりに腰椎に過度な負荷がかかり、腰痛も合併しやすくなります。
仙骨ミューテーションの影響
骨盤の中心にある仙骨の位置異常(仙骨ミューテーション)も骨盤前傾の原因です。仙骨が前方に傾くと、骨盤全体が引きずられるように前傾し、腰椎が代償的に過前弯になります。この姿勢パターンが固定化すると、股関節周りの筋バランスが崩れ、痛みが慢性化します。
骨盤アライメント改善の具体的ステップ
ステップ1:股関節前面の筋膜リリース
骨盤前傾が長期間続くと、腸腰筋や大腿直筋が短縮して硬くなっています。これらの筋肉が骨盤を前方に引っ張り、前傾を固定しています。アクティブリリーステクニックで丁寧にリリースし、骨盤がニュートラルに戻れる環境を作ります。
ステップ2:骨盤底筋の活性化
骨盤の底を支える骨盤底筋を活性化させます。骨盤底筋が正しく収縮すると、骨盤の過前傾にブレーキがかかり、ニュートラルな位置に保持しやすくなります。
Zone of Apposition(ZOA)の概念に基づき、横隔膜と骨盤底筋が対向する正しい位置関係を回復させることで、腹圧が適切に入り、骨盤の安定性が大幅に向上します。
ステップ3:内転筋ラインの連動
骨盤底筋が機能し始めたら、内転筋(太ももの内側)との連動を回復させます。骨盤底筋→内転筋のラインが機能すると、大腿骨頭を臼蓋の中に求心的に引き込む力が生まれ、関節のセントレーション(正しい位置関係)が改善されます。
ステップ4:殿筋の機能回復
骨盤のポジションが整ったら、殿筋(大殿筋・中殿筋)の機能を回復させます。殿筋が正しく働くことで、股関節の後方からの安定性が確保され、前方への圧力集中が解消されます。
PNF(固有受容性神経筋促通法)を用いて、殿筋の活性化と、歩行時に殿筋が自然に働く動作パターンの再学習を行います。
反り腰の改善が腰痛も解消する
変形性股関節症の方は腰痛を合併していることが非常に多いです。これは偶然ではなく、骨盤前傾→腰椎過前弯という姿勢パターンの必然的な結果です。
当相談所の骨盤アライメント改善アプローチは、股関節の痛みと同時に腰痛の改善にもつながる一石二鳥のアプローチです。骨盤がニュートラルに戻ることで腰椎への過度な負荷が解消され、腰の痛みも軽減されていきます。
歩行パターンの改善
骨盤アライメントが整い、筋機能が回復したら、歩行パターンの改善に取り組みます。変形性股関節症の方は、痛みを避けるために股関節の動きを最小限に抑えた歩行をしていることが多く、これが他の関節(膝・腰)への代償負荷を生んでいます。
股関節重心の歩行パターンを獲得することで、股関節のモビリティを活かしながら、セントレーションを維持した状態で歩けるようになります。足裏のセンサー(固有受容感覚)も活性化させ、地面をしっかり踏みしめて歩ける状態を目指します。
手術前も手術後も
変形性股関節症に対する当相談所のアプローチは、手術前の方にも手術後の方にも有効です。手術前の方は、骨盤アライメントの改善で痛みを軽減し、手術時期を遅らせることが期待できます。手術後の方は、人工関節を守るための正しい体の使い方を身につけることで、長期的な良好な状態を維持できます。
姿勢改善・転倒防止・歩行によるQOL向上の3本柱で、変形性股関節症の方の生活の質を変えていきます。まずはお気軽にご相談ください。




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