変形性股関節症のリハビリと運動療法ガイド

変形性股関節症のリハビリの重要性

変形性股関節症の保存療法において、運動療法は最もエビデンスレベルの高い治療法です。適切な運動により、痛みの軽減、関節機能の改善、手術の回避・延期が期待できます。特に股関節周囲の筋力強化が重要で、中殿筋と大腿四頭筋の強化が歩行改善の鍵となります。

自宅でできるリハビリメニュー

中殿筋トレーニング(横向き脚上げ)

横向きに寝て、上側の脚を伸ばしたまま天井方向に上げて5秒保持し、ゆっくり下ろします。10回1セット、1日2〜3セット行います。中殿筋が強化されると歩行時の骨盤の安定性が向上し、跛行(びっこ)が改善します。

ブリッジ運動

仰向けに寝て両膝を立て、おしりをゆっくり持ち上げて5秒保持し、下ろします。臀筋と体幹の強化に効果的です。10回1セット、1日2〜3セット行います。

股関節ストレッチ

椅子に座り、片方の足首を反対の膝の上に置き(4の字ストレッチ)、ゆっくり上体を前に倒します。股関節外旋筋のストレッチとして効果的です。各20秒、左右3回ずつ行います。

水中運動

プールでの歩行や水中エクササイズは、浮力により股関節への負荷を60〜70%軽減しながら運動できるため、変形性股関節症の方に最適です。水温は30〜34度が推奨されます。

日常生活での注意点

避けるべき動作 代替方法
正座・あぐら 椅子に座る
和式トイレ 洋式トイレに変更
布団での就寝 ベッドを使用
重い荷物を持つ カートやキャリーバッグを使用
長時間の立ち仕事 こまめに座って休憩

人工股関節術後のリハビリ

人工股関節置換術(THA)後は、脱臼予防のための禁忌姿勢を守りながらリハビリを進めます。退院後の訪問リハビリマッサージでは、筋力回復訓練、歩行訓練、日常生活動作の指導を行い、早期の社会復帰を支援します。

よくある質問(FAQ)

Q. 股関節の運動はいつ行うのがよいですか?

A. 入浴後の体が温まった状態で行うと、筋肉が柔軟になり効果的です。痛みが強い時は無理をせず、痛みのない範囲で行いましょう。

Q. 杖はいつ使えばよいですか?

A. 痛みがある場合や長距離歩行時に使用することで、股関節への負荷を約20〜30%軽減できます。T字杖を痛くない方の手で持ちましょう。

監修者情報

本記事は、訪問リハビリマッサージの臨床経験を持つ専門家が監修しています。個別の症状については、必ず主治医にご相談ください。