フレイル・サルコペニアとは?|筋力低下を防ぎ自分の足で歩き続けるために

「最近、体が弱くなった気がする」と感じていませんか?

歩くスピードが遅くなった、階段がつらくなった、ペットボトルのふたが開けにくい——こうした変化は、単なる「年のせい」ではなく、フレイルやサルコペニアのサインかもしれません。

フレイルとは、加齢に伴い心身の活力が低下し、要介護状態に近づいている状態を指します。サルコペニアは、筋肉量が減少し筋力や身体機能が低下する状態です。どちらも早期に対処することで、進行を遅らせ、改善することが可能です。

なぜ筋肉は減っていくのか

加齢に伴う筋肉量の減少は、30歳頃から始まり、年齢を重ねるほど加速していきます。特に問題となるのは、抗重力筋と呼ばれる姿勢を保つための筋肉群です。殿筋(お尻の筋肉)、ハムストリングス(太もも裏)、体幹の深層筋——これらが弱ると、姿勢が崩れ、歩行が不安定になります。

さらに、筋肉が弱ると活動量が減り、活動量が減るとさらに筋肉が落ちるという悪循環に陥ります。この悪循環を断ち切るためには、ただ漠然と運動するのではなく、正しい体の使い方に基づいたアプローチが必要です。

姿勢の崩れがフレイルを加速させる

フレイルやサルコペニアの方に共通して見られるのが、姿勢の崩れです。背中が丸くなり、骨盤が後傾し、膝が曲がった状態で歩いている——この姿勢では、殿筋が使えず、太ももの前側と膝に頼った不安定な歩行になります。

当院では、姿勢改善をフレイル対策の出発点と考えています。姿勢が改善されると、正しい筋肉が正しいタイミングで働くようになり、同じ運動量でも効果が格段に上がります。姿勢改善・転倒防止・歩行によるQOL向上の3本柱は、フレイル・サルコペニアの方にこそ重要です。

股関節重心で「使える体」を取り戻す

フレイル・サルコペニアの改善において、当院が最も重視しているのが「股関節重心」の獲得です。多くの高齢者は膝に体重を乗せた「膝重心」で立っていますが、これは非常に効率が悪く、疲れやすい立ち方です。

股関節に重心を移すことで、殿筋やハムストリングスが自然に機能し始めます。大きな筋肉群が正しく使えるようになると、立ち座りが楽になり、歩幅が広がり、活動量が増えていきます。活動量が増えればさらに筋力がつくという好循環が生まれます。

呼吸と腹圧が体幹を守る

フレイルの進行過程は、人間の発育発達プロセスの逆をたどるとも言われています。赤ちゃんは生まれて最初に呼吸をし、腹圧を獲得し、寝返りを打ち、やがて立ち上がります。加齢によるフレイルは、この過程を逆方向にたどる——つまり、まず歩行が不安定になり、姿勢が崩れ、腹圧が入らなくなり、呼吸が浅くなっていきます。

当院では、Zone of Apposition(ZOA)の考え方に基づき、まず呼吸と腹圧の改善から取り組みます。腹圧が正しく入るようになると体幹が安定し、姿勢の土台が整います。この土台の上に、股関節や足裏の機能改善を積み上げていくのが当院のアプローチです。

予防と改善の両面からサポート

フレイル・サルコペニアは、早期に気づいて対処すれば、十分に改善が見込める状態です。当院では、YNSA(山元式新頭針療法)による神経系へのアプローチと、ジョイント・バイ・ジョイント・コンセプトに基づいた身体機能の評価・改善を組み合わせ、お一人おひとりに合った施術を提供しています。

「まだ大丈夫」と思っているうちに始めることが、将来の自分を守ることにつながります。体の衰えが気になり始めた方は、ぜひお気軽にご相談ください。