転倒予防はロコモ対策の最重要課題
ロコモティブシンドロームが進行すると、最も深刻なリスクとなるのが転倒です。転倒による骨折は、そのまま寝たきりにつながる可能性があり、要介護状態への入り口となります。転倒を防ぐことは、ロコモ対策の中でも最も優先度の高いテーマです。
しかし、「気をつけて歩きましょう」という注意だけでは転倒は防げません。転倒しない体を作るためには、呼吸・体幹・股関節・足裏という全身の機能を系統的に改善する必要があります。
呼吸が崩れるとなぜ転びやすくなるのか
一見、呼吸と転倒には関係がないように思えます。しかし、呼吸は体幹の安定性と密接に結びついています。正しい呼吸で横隔膜が機能すると、腹圧が発生し、体幹を内側から支えます。
呼吸が浅く不規則になると、腹圧が入りにくくなり、体幹が不安定になります。体幹が不安定だと、歩行中にわずかなバランスの乱れでも体を立て直すことができず、転倒してしまいます。当院では、Zone of Apposition(ZOA)に基づいた呼吸改善を、ロコモ対策の第一歩として位置づけています。
腹圧を入れながら動作する
呼吸が改善され腹圧が入るようになったら、次のステップは「腹圧を入れながら動作する」ことです。立ち上がるとき、歩くとき、物を持ち上げるとき——日常の様々な動作の中で腹圧を維持できるようになることが、転倒予防の要となります。
多くの方は、動作の瞬間に腹圧が抜けてしまいます。立ち上がろうとした瞬間に息を止めて力を入れるパターンは、血圧の急上昇と体幹の不安定化を同時に招きます。当院では、呼吸を止めずに腹圧を維持しながら動作するトレーニングを、段階的に指導しています。
股関節で大股歩行を実現する
ロコモの方に特徴的なのが、小刻みな歩行です。歩幅が狭く、すり足気味で、つま先が上がらない——この歩き方は、つまずきによる転倒リスクが非常に高い状態です。
小刻み歩行の原因は、股関節の機能低下にあります。股関節が十分に動かず、殿筋が働かないと、大きく足を踏み出すことができません。当院では、股関節の可動域を確保し、殿筋やハムストリングスを活性化させることで、大股での安定した歩行を目指します。歩幅が広がれば、歩行の安定性は格段に向上します。
足裏のセンサーで地面をしっかり踏む
転倒予防の仕上げとなるのが、足裏の固有受容感覚の維持・回復です。足裏のセンサーは、地面の硬さ・傾き・滑りやすさを脳にリアルタイムで伝え、体のバランスを無意識に調整する役割を果たしています。
このセンサー機能が低下すると、段差や滑りやすい床面に対応できなくなり、転倒リスクが急上昇します。当院では、足裏と足首への適切な刺激を通じてセンサー機能を活性化し、地面をしっかり踏みしめて歩ける状態を維持します。
呼吸から足裏まで——全身の連鎖で転倒を防ぐ
当院のロコモ対策は、呼吸→腹圧→体幹→股関節→足裏のセンサーという全身の連鎖を整えるアプローチです。姿勢改善・転倒防止・歩行によるQOL向上の3本柱そのものが、ロコモ対策の基本フレームワークとなっています。
一つひとつの要素を丁寧に改善し、それらが連動して機能する状態を作ることで、転倒しにくい体が完成します。ロコモの兆候を感じている方は、ぜひお早めにご相談ください。




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