PSPのリハビリテーションの基本方針
進行性核上性麻痺(PSP)のリハビリテーションでは、転倒予防と嚥下機能の維持が最優先課題となります。PSPは進行性疾患であるため、「機能回復」よりも「機能維持」と「安全な生活動作の確保」に重点を置いたアプローチが求められます。
リハビリの優先度と目標
| 優先度 | 目標 | 具体的な介入 |
|---|---|---|
| 最優先 | 転倒予防・安全確保 | バランス訓練、環境調整、介助方法指導 |
| 高 | 嚥下機能維持 | 嚥下体操、食形態の調整、口腔ケア |
| 高 | 関節拘縮予防 | 関節可動域訓練、ストレッチ |
| 中 | コミュニケーション維持 | 構音訓練、代替手段の導入 |
| 中 | ADL(日常生活動作)維持 | 動作練習、自助具の活用 |
自宅でできるPSPのリハビリメニュー
頸部ストレッチ
PSPでは頸部が後方に反る(後屈)傾向があります。頸部前面の筋肉をゆっくりストレッチし、顎を引く運動を行うことで、前方視野の確保と嚥下機能の改善を図ります。1日3回、各5〜10回を目安に行いましょう。
座位バランス訓練
椅子に座った状態で、前後左右にゆっくり重心を移動させる訓練です。体幹の筋力維持とバランス感覚の向上に効果があります。必ず介助者がそばについた状態で行ってください。
嚥下体操
食事前に行う嚥下準備体操として、深呼吸、首の回旋運動、舌の出し入れ、「パタカラ」発声を行います。これにより嚥下関連筋群が活性化し、誤嚥リスクを軽減できます。
介護者が知っておくべきポイント
転倒時の介助テクニック
PSPの患者さんは突然後方に倒れることがあります。介助者は常に患者さんの後方に位置し、転倒の兆候(体の揺れ、足の踏み出し遅延)を観察しましょう。歩行介助時は、後方から骨盤を支えるように介助すると安全です。転倒してしまった場合は、慌てず頭部の外傷を確認し、ゆっくりと起き上がりを介助します。
食事介助のコツ
眼球運動障害により下方が見えにくいため、食器は目線より高い位置に置きます。一口量を少なくし、ゆっくりと食べるよう声かけをします。むせが頻繁な場合は、とろみ剤の使用や食形態の見直しを言語聴覚士に相談しましょう。
コミュニケーションの工夫
構音障害が進行すると発語が不明瞭になりますが、認知機能は比較的保たれることが多いです。ゆっくり話す時間を確保し、「はい・いいえ」で答えられる質問を活用するほか、文字盤やタブレットなどの代替コミュニケーション手段の早期導入を検討しましょう。
利用できる介護サービス
| サービス | 内容 | 利用方法 |
|---|---|---|
| 訪問リハビリマッサージ | 在宅での機能維持・疼痛緩和 | 医師の同意書+医療保険 |
| 訪問看護 | 医療処置、健康管理、リハビリ | 医師の指示書+医療・介護保険 |
| 訪問介護 | 身体介護、生活援助 | ケアプラン+介護保険 |
| 通所リハビリ | 集団・個別リハビリ | ケアプラン+介護保険 |
| 福祉用具レンタル | 車椅子、ベッド、手すり等 | ケアプラン+介護保険 |
よくある質問(FAQ)
Q. PSPの介護で最も注意すべきことは何ですか?
A. 転倒予防が最重要です。PSPは後方への突然の転倒が特徴的で、頭部打撲や骨折の原因となります。住環境の整備と適切な介助技術の習得が不可欠です。
Q. リハビリの頻度はどのくらいが適切ですか?
A. 訪問リハビリマッサージは週2〜3回が推奨されます。自宅での自主トレーニングと組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
Q. 認知症とPSPの認知機能障害は違いますか?
A. PSPの認知機能障害は主に前頭葉機能の低下(判断力低下、無気力)が特徴で、アルツハイマー型認知症のような記憶障害は目立ちにくい傾向があります。
監修者情報
本記事は、訪問リハビリマッサージの臨床経験を持つ専門家が監修しています。個別の症状については、必ず主治医にご相談ください。




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