閉塞性動脈硬化症で歩行距離が短くなる悪循環
閉塞性動脈硬化症の方は、歩くと足が痛くなるため、どうしても歩く距離が短くなります。歩かなくなると筋力が低下し、さらに少ない距離で痛みが出るようになるという悪循環に陥ります。外出の機会が減ると社会的な孤立にもつながり、心身両面の健康が損なわれます。この悪循環を断つためには、歩行の質を高めて効率的に歩く方法を身につけることが重要です。
股関節重心の歩行で痛みの出現を遅らせる
間歇性跛行の痛みは、筋肉が必要とする血液量に供給が追いつかない時に生じます。つまり、同じ距離を歩く際に筋肉が使うエネルギーを減らせれば、痛みの出現を遅らせることができます。
膝重心の歩き方では、太もも前面の筋肉が過度に働き、大量の血液を必要とします。一方、股関節に重心を移した歩行では、殿筋やハムストリングスという大きな筋群が効率的に使われ、血液供給の負担が分散されます。さらに骨盤の回旋と腕振りを連動させることで、エネルギー効率の高い歩行が実現し、痛みが出るまでの歩行距離が延長します。
殿筋と外旋六筋の活性化
股関節中心の歩行を実現するために、殿筋群と外旋六筋の活性化が不可欠です。長期間の活動低下により、これらの筋肉は萎縮していることが多く、意識しても使えない状態になっています。
PNF的な手法で適切な抵抗をかけながら、殿筋の収縮を誘導します。股関節の外旋・伸展の動きに対して軽い抵抗を加えることで、神経と筋肉のつながりが活性化され、「お尻に力が入る」感覚を取り戻します。中殿筋の後部繊維も重要で、これが機能することで片脚立位の安定性が増し、歩行時のふらつきが軽減されます。
体幹の安定性と歩行効率
体幹が不安定な状態で歩くと、バランスを保つために余分なエネルギーを消費します。閉塞性動脈硬化症の方にとって、このエネルギーの無駄遣いは歩行距離の短縮に直結します。
Zone of Apposition(ZOA)に基づく呼吸訓練で腹圧を高め、体幹を安定させます。腹圧が入った状態で歩くことで、上半身の揺れが抑えられ、下肢の筋肉が推進力の生成に専念できるようになります。歩行のエネルギー効率が向上し、限られた血流供給の中でより長い距離を歩くことが可能になります。
足首の可動域確保とかかと接地
足首の背屈制限があると、つま先から接地する歩行パターンになり、ふくらはぎへの負担が増大します。これは間歇性跛行の症状を早期に誘発する原因になります。
アクティブリリーステクニックで足首周囲の筋膜をリリースし、十分な背屈可動域を確保します。かかとからしっかり接地できるようになると、ふくらはぎの筋ポンプ作用が正常化し、歩行中の血液循環も改善されます。足裏全体で地面を捉える感覚を取り戻すことが、安定した歩行の基盤となります。
目標設定と段階的な歩行距離の延長
訪問施術では、現在の歩行距離を正確に評価し、段階的な目標を設定して歩行能力の向上を目指します。まずはご自宅周辺での短距離歩行から始め、徐々に距離を延ばしていきます。歩行中の姿勢や歩き方を実際に確認しながら修正できるのが、訪問リハビリの大きな強みです。最終的にはお買い物や通院など、生活に必要な歩行を自信を持って行えるレベルまで回復させることを目標にサポートいたします。




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