脳腫瘍術後に歩行が困難になる理由
脳腫瘍の手術後、多くの方が歩行に不安を感じています。片麻痺による足の引きずり、小脳近くの腫瘍であればバランス感覚の障害、そして長期入院による筋力低下が重なり、「歩きたいけれど怖い」という状態に陥りがちです。
退院時にはなんとか歩けていた方でも、自宅に戻ると活動量が減り、徐々に歩行能力が低下していくケースが多く見られます。この悪循環を防ぐためには、退院後早期からの継続的なリハビリが重要です。
一般的なリハビリとの違い
病院でのリハビリは「ただ立って歩く練習」が中心になりがちです。しかし、正しい姿勢や重心の位置を意識せずに歩く練習を繰り返しても、代償動作が身についてしまい、かえって体に負担をかける歩き方が固定されてしまいます。
私たちのアプローチは、ジョイント・バイ・ジョイント・コンセプト(Mike Boyle提唱)に基づき、各関節の役割を正しく機能させることから始めます。足首にモビリティ、膝にスタビリティ、股関節にモビリティ──この原則に沿って体を整えることで、無理のない歩行パターンが生まれます。
歩行回復のための3つのステップ
ステップ1:関節の可動域を確保する
まずアクティブリリーステクニック(ART)で筋膜の癒着を解消し、股関節・肩甲骨・足首の可動域を取り戻します。術後の安静期間で固まった組織を丁寧にほぐし、動ける体の土台を作ります。
ステップ2:股関節重心の立ち方を身につける
脳腫瘍後遺症の方の多くは、膝に力を入れて体を支える「膝重心」になっています。これでは太ももの前面と外側に負担が集中し、長時間の歩行が困難です。股関節に重心を乗せ、殿筋とハムストリングスで体を支えるパターンに移行することで、少ない力で安定した立位が可能になります。
ステップ3:腹圧を入れた歩行の獲得
Zone of Apposition(ZOA)を意識した呼吸法で腹圧を高め、体幹を安定させた状態で歩行訓練を行います。腹圧が入ることで背骨が安定し、手足の動きがスムーズになります。地面をしっかり踏み、大股で歩ける状態を目指します。
小脳腫瘍後のバランス障害にも対応
小脳付近の腫瘍手術後は、特にバランス障害が顕著です。ふらつきが強く、まっすぐ歩けない、方向転換で倒れそうになるといった症状が出ます。
このような場合、足裏の固有受容感覚を強化することが重要です。足裏は「第二の目」とも呼ばれ、地面からの情報を脳に伝えるセンサーの役割を果たしています。足裏への触覚刺激訓練や、足首の可動域確保を通じて、バランス維持に必要な感覚情報を脳に届けやすくします。
訪問だからこそ実現する日常に即したリハビリ
ご自宅に伺って施術することで、実際の生活空間での動作確認が可能です。廊下の幅、段差の高さ、トイレまでの動線──こうした具体的な環境に合わせたアドバイスができるのは訪問施術ならではの強みです。
単なるマッサージや受動的な運動ではなく、患者様の将来を見越した、歩行機能の根本的な改善を目指します。脳腫瘍の術後でも、正しいアプローチで歩ける喜びを取り戻すことは可能です。




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