「歩くと息が切れる」を改善するために
COPDの方にとって、歩行は大きな挑戦です。少し歩いただけで息が上がり、立ち止まって休まなければならない——そんな状態が続くと、次第に歩くこと自体を避けるようになります。しかし、歩かなくなれば筋力は落ち、さらに少しの動作でも息が切れるようになります。
この悪循環を断ち切るために必要なのは、「効率よく呼吸しながら歩ける体」を作ることです。当院では、呼吸と動作を一体として捉え、歩行中の呼吸効率を高めるアプローチを行っています。
横隔膜を正しく使う呼吸トレーニング
多くのCOPDの方は、呼吸の際に肩や首の補助筋に頼った「浅い呼吸」をしています。この呼吸パターンはエネルギー消費が大きく、疲れやすい原因にもなります。
当院では、横隔膜を主役にした効率的な呼吸パターンへの移行を目指します。Zone of Apposition(ZOA)を意識したポジショニングで横隔膜が最大限に機能できる環境を整え、風船を吹くエクササイズなどで呼気の力を強化します。横隔膜が正しく動くようになると、一回の呼吸で取り込める空気量が増え、少ない呼吸回数で活動を維持できるようになります。
腹圧で体を安定させて歩く
効率的な呼吸が実現すると、その副産物として腹圧が生まれます。腹圧は体幹を内側から支え、歩行中の体の安定性を高めます。
COPDの方が歩行中にふらつくのは、筋力低下だけが原因ではありません。体幹が不安定であるために、一歩一歩の着地で体が揺れ、その揺れを制御するために余計なエネルギーを消費しているのです。腹圧によって体幹が安定すると、歩行に必要なエネルギーが減り、同じ距離をより少ない負担で歩けるようになります。
殿筋を使った効率的な歩行
COPDの方の多くは前傾姿勢で歩いており、太ももの前側と膝に頼った非効率な歩き方になっています。この歩き方は酸素消費量が多く、すぐに息切れを招きます。
当院が推進する「股関節重心」の歩行は、殿筋とハムストリングスという大きな筋肉群を主に使います。大きな筋肉は効率がよく、同じ動作でもエネルギー消費が少なくて済みます。COPDの方にとって、効率的な歩行パターンの獲得は、限られた呼吸能力を最大限に活かすための重要な戦略です。
発育発達のプロセスに沿った回復
人間の体は、呼吸→腹圧→体幹安定→座位→立位→歩行という順序で発達していきます。当院では、この発育発達のプロセスに沿って、段階的に機能を回復させていきます。
COPDの方の場合、まず呼吸パターンの改善と横隔膜の機能回復から始め、腹圧の獲得、体幹の安定化を経て、最終的に効率的な歩行の実現を目指します。この順序を守ることで、各段階の改善が次の段階の土台となり、確実に機能が積み上がっていきます。
呼吸と歩行の好循環をつくる
当院では、姿勢改善・転倒防止・歩行によるQOL向上の3本柱に、YNSAや神経の可塑性を活用したアプローチを組み合わせ、COPDの方が少しでも楽に歩ける体づくりをサポートしています。呼吸が改善されれば歩ける距離が延び、歩ければ体力がつき、体力がつけば呼吸もさらに楽になる——この好循環を一緒に作っていきましょう。まずはお気軽にご相談ください。




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