レビー小体型認知症の在宅介護で家族が知っておくべきこと
レビー小体型認知症(DLB)は、アルツハイマー型認知症に次いで多い変性性認知症です。幻視、認知機能の変動、パーキンソン症状という特徴的な3つの症状が現れるため、在宅介護には独自の知識と対応が求められます。
この記事では、訪問リハビリマッサージの専門家の視点から、ご家族が日常生活の中でできる具体的なケアと対応法をご紹介します。単なる見守りや服薬管理だけでなく、姿勢改善・転倒防止・歩行能力の維持という3つの柱を意識した介護が、ご本人のQOL向上に大きく貢献します。
幻視への正しい対応|否定せず、安心を与える
レビー小体型認知症の最も特徴的な症状が「幻視」です。ご本人には実際に見えているため、頭ごなしに否定することは逆効果になります。
幻視が現れたときの対応ポイント
まず大切なのは、ご本人の訴えを受け止めることです。「そんなものは見えない」と否定するのではなく、「怖い思いをしたんですね」と気持ちに寄り添いましょう。その上で、照明を明るくする、場所を移動する、話題を変えるなどの対応で幻視が消えることがあります。
幻視が起こりやすい環境要因として、薄暗い照明、複雑な模様のカーテンや壁紙、テレビの音声などがあります。室内の照明を均一に明るくし、シンプルなインテリアにすることで幻視の頻度を減らせる場合があります。
認知機能の変動への対応|「良い時間帯」を活かす
レビー小体型認知症では、日によって、また1日の中でも認知機能が大きく変動します。はっきりしている時間帯とぼんやりしている時間帯の差が顕著です。
この変動を理解し、調子の良い時間帯にリハビリや運動、入浴などの活動を集中させることが効果的です。調子が悪い時間帯に無理に活動させようとすると、混乱や転倒のリスクが高まります。
日記やメモで「何時頃に調子が良かったか」を記録しておくと、パターンが見えてきます。この情報は訪問リハビリの担当者にも共有してください。リハビリの効果を最大化するために、最適な時間帯に訪問スケジュールを調整することができます。
パーキンソン症状への日常ケア|姿勢と動作の工夫
レビー小体型認知症に伴うパーキンソン症状(筋固縮、動作緩慢、小刻み歩行など)は、転倒リスクを大幅に高めます。ここで重要になるのが、鈴木密正が提唱する「股関節重心」の動作原理です。
立ち座りの介助|膝ではなく股関節を意識
多くの方が立ち上がる際に膝に力を入れがちですが、これではバランスを崩しやすくなります。介助する際は、ご本人に「おじぎをするように前かがみになってから立ちましょう」と声をかけてください。これにより自然と股関節が屈曲し、重心が安定した状態で立ち上がれます。
座る際も同様です。「ゆっくりおじぎをしながら座りましょう」と声をかけ、股関節から曲げる動きを促します。この動作パターンを日常的に繰り返すことで、ご本人の体にも安全な動き方が定着していきます。
歩行の見守り|足裏のセンサーを活かす
パーキンソン症状による小刻み歩行やすくみ足に対して、私たちが重視するのは足裏の固有受容感覚(センサー機能)です。
室内では、できるだけ裸足や薄い靴下で過ごしていただくことをお勧めします。足裏が床の感触を感じ取ることで、脳への感覚フィードバックが増え、バランス制御が向上します。厚いスリッパは足裏のセンサーを遮断してしまうため、滑り止め付きの薄い室内履きに変更しましょう。
すくみ足が現れた場合は、床にテープで線を貼る「視覚キュー」が有効です。横線をまたぐ意識を持つことで、脳が歩行パターンを切り替え、すくみが解除されることがあります。
腹圧を意識した動作の促し方
レビー小体型認知症の方は筋力低下と姿勢の崩れが進行しやすいため、腹圧を入れながら動作する習慣づけが重要です。
ご家族ができる声かけとして、動作の前に「お腹にぐっと力を入れてから動きましょう」と伝えてください。特に立ち上がり、方向転換、階段の上り下りなど、バランスを崩しやすい場面で腹圧を意識させることで、体幹が安定し転倒リスクが軽減されます。
これは単なる筋力トレーニングではありません。腹圧による体幹の安定は、姿勢改善と転倒防止の両方に直結する、鈴木密正の訪問リハビリにおける重要な治療原理のひとつです。
姿勢の崩れを防ぐ日常の工夫
レビー小体型認知症では前傾姿勢や側屈(体が横に傾く)が進行しやすくなります。しかし、曲がったものでもある程度姿勢を改善できるというのが私たちの考え方です。
座位では、椅子に深く腰掛けて背筋を伸ばす時間を意識的に作りましょう。食事の時間を利用して「背中をまっすぐにして食べましょう」と声をかけることで、自然と姿勢を正す機会になります。クッションを使って骨盤の傾きを調整することも効果的です。
訪問リハビリでは、個々の姿勢の崩れ方に合わせた具体的な改善プログラムを提供しています。ご家族だけでは判断が難しい部分は、専門家の評価を受けることをお勧めします。
転倒を防ぐ環境整備のチェックリスト
レビー小体型認知症の方の転倒予防には、環境整備が欠かせません。以下のポイントを確認しましょう。
まず、動線上の障害物を撤去します。カーペットの端やコード類は最大のつまずき原因です。次に、トイレまでの経路を明るく保ちます。夜間の排泄時は特に転倒リスクが高いため、足元灯の設置が必須です。
手すりの設置場所は、廊下・トイレ・浴室に加え、ベッドサイドにも検討してください。立ち上がりの際に手すりがあることで、股関節重心の動きが自然にできるようになります。
浴室は最も転倒リスクが高い場所です。滑り止めマット、シャワーチェア、浴槽内の手すりの3点セットは必ず用意しましょう。
介護者自身のケアも忘れずに
レビー小体型認知症の介護は、幻視への対応や認知機能の変動への適応など、精神的な負担が大きくなりがちです。介護者が倒れてしまっては、ご本人の在宅生活も成り立ちません。
訪問リハビリマッサージは、ご本人のケアだけでなく、介護者の負担軽減にも貢献します。専門家が定期的に訪問することで、ご家族は安心して休息の時間を確保できます。また、リハビリの進捗や注意点を共有することで、日々の介護に自信を持てるようになります。
地域の認知症カフェや家族会への参加も、同じ悩みを共有できる貴重な機会です。一人で抱え込まず、利用できるサービスは積極的に活用しましょう。
訪問リハビリマッサージだからできるDLBケア
レビー小体型認知症のケアで大切なのは、単なるマッサージや、ただ体を動かして歩かせるだけのリハビリではないということです。
鈴木密正の訪問リハビリマッサージでは、パーキンソン症状に対する筋固縮の緩和、姿勢改善、足裏の感覚入力の強化、股関節重心の動作指導、腹圧トレーニングなど、他とは違うアプローチを総合的に提供しています。
さらに、ご本人の将来を見越したケアを行うことが私たちの使命です。現在の症状への対応だけでなく、今後起こりうる機能低下を予測し、それに備えた体づくりを今から始めることが、長期的なQOL維持につながります。
ご家族だけで対応に悩まれている場合は、ぜひ一度ご相談ください。ご本人の状態に合わせた最適なリハビリプランと、ご家族へのアドバイスを提供いたします。




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