くも膜下出血後の在宅ケアで大切なこと
くも膜下出血は、脳血管疾患の中でも特に重篤な病気です。救命されてご自宅に戻られた後も、ご本人は麻痺や高次脳機能障害と向き合い続けることになります。そしてそれを支えるご家族にも、大きな負担がかかります。
この記事では、くも膜下出血後の在宅ケアにおいて、ご家族がどのように理解し、どのように接すれば回復を促進できるのかをお伝えします。当相談所で多くの方をサポートしてきた経験に基づいた、実践的な内容です。
「以前と違う人になった」と感じた時に
くも膜下出血後に高次脳機能障害を合併した場合、ご家族から最も多く聞かれるのが「以前とは別人のようだ」という言葉です。穏やかだった方が急に怒り出したり、几帳面だった方が何もできなくなったりする変化に、戸惑いと悲しみを感じるのは当然のことです。
しかしこの変化は、ご本人の「性格が変わった」のではなく、脳の損傷によって感情や行動のコントロールが困難になっている状態です。この理解が、適切な接し方の第一歩となります。
怒りや興奮への対応
急な怒りや興奮が起きた時、ご家族が感情的に反応してしまうと状況は悪化します。「少し待つ」ことが最も効果的です。安全を確保した上で、少し離れた場所で見守り、落ち着くのを待ちましょう。数分で収まることがほとんどです。
やる気が出ない状態への対応
くも膜下出血後の意欲低下は深刻です。特に複数回の手術を経験された方は、「もう私はいいんだ」という気持ちに陥りやすくなります。この時、「頑張って」「やる気を出して」という声かけは逆効果になることがあります。
代わりに、「今日は天気がいいね」「お茶がおいしいね」といった日常的な会話で、穏やかな交流を続けることが大切です。回復への意欲は、安心できる環境の中で少しずつ芽生えてくるものです。
日常生活での具体的な注意点
生活環境の整備
くも膜下出血後遺症の方にとって、安全で刺激の少ない環境が重要です。高次脳機能障害がある場合、注意が散漫になりやすいため、転倒リスクのある障害物を除去し、動線を明確にしておきましょう。
また、日によって調子が大きく異なる「まだら」な状態が見られることがあります。調子の良い日を基準にせず、その日その日の状態に合わせた対応を心がけてください。
コミュニケーションの工夫
記憶障害がある場合、同じことを何度も聞かれることがあります。その度にイライラしてしまうのは自然な反応ですが、メモやホワイトボードを活用して、目に見える形で情報を残しておくと、お互いの負担が軽減されます。
遂行機能障害がある場合は、一度に複数の指示を出さず、一つずつ区切って伝えることが効果的です。「まずこれをして、次にあれを」ではなく、一つ終わってから次を伝えるようにしましょう。
転倒防止の心がけ
麻痺がある方の転倒は、骨折などの二次的な問題につながる危険があります。しかし過度に行動を制限すると身体機能の低下を招くため、バランスが大切です。
当相談所の訪問施術では、ご自宅の環境に合わせた転倒防止策をアドバイスしています。手すりの設置場所、家具の配置、動きやすい動線など、安全性と自立性を両立する環境づくりをご一緒に考えます。
訪問リハビリマッサージがご家族を支える理由
在宅介護で最も危険なのは、ご家族が一人で抱え込むことです。くも膜下出血後遺症の方のケアは、身体面だけでなく精神面でも難しく、介護するご家族の疲弊が深刻な問題になります。
定期的な訪問リハビリマッサージには、以下のような意味があります。
ご本人の身体機能の維持・向上はもちろんのこと、施術者が訪問する時間は、ご家族にとって少し手を離せる貴重な時間になります。この「レスパイト(休息)」の効果は、長期的な在宅介護の継続において非常に大きな意味を持ちます。
また、経験豊富な施術者が定期的に状態を観察することで、変化の兆候を早期に発見できます。「最近少し表情が暗い」「麻痺側の動きが落ちてきた」といった微細な変化を捉え、必要に応じて対応策を講じることが可能です。
体の回復が、暮らし全体を変える
当相談所では、くも膜下出血後遺症に対して姿勢改善・転倒防止・歩行によるQOL向上の3本柱でアプローチしています。体が動くようになることは、単なる身体機能の回復にとどまりません。
自分で立てるようになれば見える景色が変わります。歩けるようになれば行動範囲が広がります。その一つひとつが生きる意欲を取り戻すきっかけになるのです。
ご本人の回復と、ご家族の安心。その両方を支えることが、私たちの使命です。くも膜下出血後の在宅ケアでお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。




お電話ありがとうございます、
訪問リハビリマッサージ相談所でございます。