多系統萎縮症で起きる呼吸と嚥下の問題
多系統萎縮症(MSA)が進行すると、呼吸や嚥下に関わる筋肉にも影響が及ぶことがあります。声が小さくなる、食事中にむせやすくなる、睡眠時に呼吸が不規則になる——これらの変化は見過ごされがちですが、早期から対処することが重要です。
特に誤嚥性肺炎は、多系統萎縮症の方にとって命に関わるリスクです。嚥下機能を少しでも長く維持するためのケアは、生命を守るケアでもあります。
胸郭と呼吸筋の柔軟性を維持する
多系統萎縮症では、姿勢の崩れや筋力低下に伴い、胸郭の動きが制限されていきます。胸郭が固くなると肺が十分に膨らめず、呼吸は浅くなり、咳の力も弱まります。
当院では、肋骨周りの筋膜や軟部組織を丁寧にほぐし、胸郭の物理的な柔軟性を維持するケアを行っています。Zone of Apposition(ZOA)に基づいた横隔膜の機能改善と合わせることで、少ない力でも効率的に呼吸できる環境を整えます。
嚥下機能を守るためのアプローチ
嚥下は、口腔、咽頭、食道の複雑な筋肉の協調運動によって成り立っています。多系統萎縮症ではこれらの筋肉の協調が徐々に乱れ、食べ物や飲み物が気管に入りやすくなります。
当院では、頸部周囲の筋肉の柔軟性を維持し、嚥下に関わる筋群の機能低下を少しでも遅らせるアプローチを行っています。頸部の姿勢が適切に保たれることは、嚥下の安全性に直結します。猫背や頭部前方変位を改善することで、食事時の嚥下がスムーズになります。
発声機能の維持
声が小さくなったり、かすれたりするのも多系統萎縮症の特徴的な症状です。声を出す力が弱くなることで、コミュニケーションに支障が出て、社会的な孤立感を深めてしまうことがあります。
当院の施術では、呼吸機能の改善を通じて発声の基盤となる呼気の力を維持します。十分な呼気があれば声を出しやすくなり、コミュニケーション能力の維持につながります。呼吸と発声は密接に関連しているのです。
姿勢改善が呼吸と嚥下を助ける
多系統萎縮症では姿勢の崩れが著しく、前傾姿勢や側弯が進行することがあります。姿勢が崩れると、胸郭が圧迫されて呼吸が制限され、頸部の角度が変わって嚥下も困難になります。
当院では、姿勢改善を呼吸・嚥下ケアの基盤と位置づけています。背骨のアライメントを少しでも改善し、胸郭が広がるスペースを確保し、頸部が適切な角度を保てるようにすることで、呼吸と嚥下の両方をサポートします。
多角的なアプローチで生活の質を守る
当院では、姿勢改善・転倒防止・歩行によるQOL向上の3本柱を基本に、多系統萎縮症の方の呼吸・嚥下・発声機能の維持に総合的に取り組んでいます。YNSAによる神経系へのアプローチも組み合わせ、残された機能を最大限に活かすケアを提供しています。お気軽にご相談ください。




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