重症筋無力症の特徴とリハビリの難しさ
重症筋無力症(MG)は、神経と筋肉の接合部に異常が生じ、筋力低下や易疲労性(疲れやすさ)が特徴的な自己免疫疾患です。まぶたが下がる、ものが二重に見える、飲み込みにくい、声が出にくいといった症状に加え、手足の筋力低下も進行します。特に「使うと弱くなり、休むと回復する」という日内変動があるため、リハビリの負荷設定が非常に難しい疾患です。
易疲労性に寄り添った施術設計
重症筋無力症のリハビリで最も重要なのは、疲労を蓄積させないことです。過度な運動は症状を悪化させるため、一般的なリハビリのように「頑張って動かす」アプローチは適していません。
訪問施術では、その日の体調を細かく確認し、まぶたの下がり具合や声の出方、握力の状態などから疲労度を正確に評価します。調子の良い時間帯に合わせて施術を行い、短い運動と十分な休憩を交互に設けることで、疲労を最小限に抑えながら効果的な機能維持を実現します。
筋膜の柔軟性を保つアプローチ
筋力が低下すると活動量が減り、筋膜の癒着が進みやすくなります。重症筋無力症では、過負荷をかけずに筋膜の柔軟性を保つことが重要です。
アクティブリリーステクニックによるソフトな筋膜アプローチで、癒着を丁寧に解除していきます。強い力は必要ありません。筋膜層の滑走性を回復させることで、少ない力でも効率的に体を動かせるようになります。特に肩甲骨周り、股関節、足首の筋膜をリリースすることで、日常動作の効率が大きく改善します。
YNSAで神経筋接合部の伝達を改善
YNSA(山元式新頭針療法)は、神経系全体の機能を活性化させる効果があります。重症筋無力症では神経筋接合部の伝達効率が低下しているため、YNSAによる神経賦活が症状改善の一助となります。
鍼刺激による血流改善効果もあり、筋肉への酸素・栄養供給が促進されます。YNSAの施術後は「体が軽く感じる」「動かしやすくなった」という感覚を得られることが多く、その状態で軽い運動療法を行うことで、より効率的に機能維持を図ることができます。
呼吸筋のケアと腹圧トレーニング
重症筋無力症では呼吸筋も影響を受けることがあり、呼吸機能の維持は命に関わる重要な課題です。Zone of Apposition(ZOA)の概念に基づき、横隔膜が効率的に機能するポジションを確保しながら、無理のない範囲で呼吸トレーニングを行います。
腹圧を軽く入れる練習は、呼吸機能の維持だけでなく体幹の安定性向上にも役立ちます。体幹が安定すると、手足の動きに必要なエネルギーが減り、限られた筋力をより効率的に使えるようになります。疲労しやすい方にとって、エネルギー効率の改善は生活の質に直結する重要なポイントです。
姿勢改善で動作効率を最大化
重症筋無力症の方は、限られた筋力で日常生活を送る必要があります。そのため、姿勢を最適化して動作効率を上げることが、疲労軽減に直結します。
股関節に重心を乗せた正しい姿勢を作ることで、骨格で体を支える割合が増え、筋肉への負担が軽減されます。立ち座りも股関節を支点にすることで、より少ない筋力で安全に行えるようになります。訪問施術では、ご自宅の椅子やベッドの高さに合わせた具体的な動作指導が可能です。日常生活のあらゆる場面で、無駄なエネルギー消費を減らす工夫を一緒に見つけていきます。




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