重症筋無力症(MG)のリハビリと生活管理のポイント

MGのリハビリテーションの基本方針

重症筋無力症のリハビリでは、「易疲労性」を常に考慮し、過負荷を避けながら機能維持を図ることが最重要です。症状の日内変動に合わせ、調子の良い時間帯にリハビリを実施します。

リハビリの原則

原則 内容
低強度・短時間 1回15〜20分程度、疲労を感じる前に終了
頻回の休憩 運動と休憩を交互に、こまめに休む
時間帯の選択 症状が軽い午前中に実施
体調に合わせた調整 日によって内容・強度を柔軟に変更
過負荷の回避 翌日に疲労が持ち越す場合は負荷を下げる

自宅でできるリハビリメニュー

呼吸筋トレーニング

腹式呼吸の練習を1日3回、各5〜10回行います。吸気筋トレーニング器具を使用する場合は、低い抵抗から開始し、呼吸筋の疲労に注意しながら段階的に強度を上げます。呼吸機能の維持はクリーゼ予防にもつながります。

軽度の筋力維持運動

椅子に座った状態での膝伸ばし運動や、ゴムバンドを使った上肢運動など、低強度の筋力維持運動を行います。各種目5〜10回を1セットとし、疲労を感じたら即座に休憩します。

嚥下・構音訓練

食事前の嚥下準備体操として、口唇・舌・顎の運動、発声練習を短時間行います。長時間の発声練習は逆に声が出にくくなるため、5分程度を目安にします。

日常生活の管理ポイント

疲労管理のコツ

場面 工夫
食事 咀嚼しやすい食形態、少量頻回食、体調の良い時間に
入浴 短時間で済ませる、シャワーチェア使用
家事 座ってできる作業を中心に、優先順位をつける
外出 午前中の涼しい時間帯、休憩場所を事前確認
睡眠 十分な睡眠時間の確保、昼寝の活用

感染予防と禁忌薬の注意

MGの治療では免疫抑制薬を使用することが多く、感染症にかかりやすくなります。感染症はクリーゼの誘因にもなるため、手洗い・うがいの徹底が重要です。また、MGでは使用してはいけない薬(禁忌薬)が多数あります。抗生物質(アミノグリコシド系等)、筋弛緩薬、一部の向精神薬など、他科を受診する際は必ずMGであることを伝えましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. MGで運動すると症状が悪化しませんか?

A. 過度な運動は悪化の原因となりますが、適度な低強度の運動は廃用予防に重要です。「疲れを感じる手前」で止めることがポイントです。

Q. ストレスはMGに影響しますか?

A. はい、精神的ストレスは症状悪化の誘因となります。リラクゼーション技法の習得が推奨されます。訪問リハビリマッサージのリラクゼーション効果も有効です。

監修者情報

本記事は、訪問リハビリマッサージの臨床経験を持つ専門家が監修しています。個別の症状については、必ず主治医にご相談ください。